楽屋で、幕の内。|迎え火。 Aug.7
「私が空気を吸う限り、私の中で父は生き続けている」
毎年夏になると思い出す言葉。いくら多忙でも、お盆という風習のおかげで忘れずにいられる。盆入りの8月13日は、小さな手さげ提灯を持ってお寺の納骨堂を訪れ、ご先祖様をお迎えする「迎え火」を行う。幼い頃の私はピンク色をした花柄の手さげ提灯が可愛く思え、意味もわからず持ちたがった。お寺で火を入れた提灯を消さないよう、セミの声が鳴り響く田舎道をそろりそろり歩いて帰る。今思えば、ちょっとした遊びのように思っていた。
父が亡くなって今