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楽屋で、幕の内。|書かずにはいられない、中居くんの誕生日なんだもの Aug.18

 この『楽屋で、幕の内。』というリレー日記、実はゆる〜く担当日を決めております。今回は8月18日。私にとってはSMAP of SMAP、中居くんの誕生日しかありません。中居くんを初めて見たときの衝撃をモーレツに綴ります。

 初めて中居くんを近距離で拝めた(笑)のは1996年春、渋谷のスペイン坂スタジオでした。アルバム『SMAP 008 TACOMAX』の発売にあわせ、FM TOKYOの番組にゲスト出演したのです。その頃の私はSMAPファン爆発期。会社の先輩から借りたライブビデオ『SEXY SIX SHOW』を毎日朝までリピートする日々を送っていました。ある週末、どうしても彼らが住む東京の街で同じ空気が吸いたくなり、単身で上京しました。事件はその日に起きました。

 飛行機は羽田に着いたものの、ノープランだった私は、ひとまず恵比寿にあったジャニーズのファミリークラブを目指しました。現在のジャニーズショップのような整った場所ではなく、雑務をこなす事務所機能がメインで、所属タレントのグッズをほんの一角に置いてあるといった感じでした。段ボール箱の間でお姉さん方がたんたんと作業をされていて、華やかな雰囲気を期待した私は少し肩透かしをくらいました。

 それでも公式の写真を5枚ほど手にし、満足してレジへ。そして壁にさりげなく貼ってある紙を見て、心底驚きます。時代が良かったのでしょう、何てことない模造紙にマジックペンで書かれていたのは、各タレントの今日のスケジュールでした。そこに当日の彼らの渋谷のスタジオでの出演と、1時間おきの詳細なスケジュールが記されていたのです。

 私はドギマギしながら日にちが今日であることを何度も確認しました。左手の腕時計を見れば開始時刻は過ぎています。取るものもとりあえず夢中でファミクラを後にしました。電車かタクシーか、現地まで何で向かったかは覚えていません。

 渋谷に着いて坂を上り、そろそろ目的地かと思ったころ、坂の下まで伸びた女の子の列が目に入りました。警備員さんに促されて最後尾へ続きながら、こんなに人気があるってすごいグループだとぼんやりと思いました。当時はSMAPはおろか、ジャニーズファンを公言する人も少ない時代で、周囲にファンは少なかったからです。

 前の人の歩調に合わせて一歩ずつ詰めていき何度か目の角を曲がると、前からキャーッ!という叫び声が届き始めました。この時の私はまだ模造紙に書かれていた情報が本当かどうか、半信半疑だったと思います。さらに角を曲がると急に後ろからグイグイと押されるようになり、立ち止まらないでくださいという警備員さんの叫びが響きはじめました。

 そして気づくと私はガラス窓の前に出ていました。左手の奥にスタジオの風景があり、その時間の出番だった二人が並んで座っていたのです。右側に中居くん、その左が慎吾くんでした。通過した時間は2分もなかったかも知れません。背中を押されつつも、顔は左を向いたまま前に進むという変な格好でしたが私は中居くんのお顔をしっかりとこの目に刻みました。いや、美しさに惹きつけられずにはいられなかったのです。小さい輪郭にアーモンドのような茶色い目と白い肌。全体のバランスは整っていて際立ち、これは同じ人間だろうかと思いました。まだ10代の慎吾くんはすこぶる可愛かったです。

 数ヶ月後には、イチオシである森くんがオートレーサーになってしまうという大事件が私の身に降りかかるのですが、その後も彼らを応援し続けてきました。しかし年月が経ってもあの時の中居くんの美しさは忘れられず、かなり痛いですが(笑)、絶景を前にしてもあの衝撃を上回ることはなかなかありません。ライブでの中居くんは帽子のある衣裳が多く、オーラス(最終日)だけ脱いで出てくるのが十八番です。これに「お帽子をとった!」とファンはどよめくのですが、生の中居くんの美しさがバレるといけないので、あえて見せないようにしているのだろうと、私は半ば本気で思っております(笑)。

 中居くんといえば名言も知られるようになってきました。私も助けられたクチです。スケジュール帳に繰り返しメモしていたのは「チャンスはピンチ、ピンチはチャンス」。そして最近になって思い出すのは「がんばっていれば、視聴率なんてついてくる」という言葉です。自分の冠番組を持つようになり、視聴率が心配という中居くんにタモリさんが言ったアドバイスなのだとか。大変な今こそ、沁みます。

 「おじいちゃんになってもSMAPでもいいかも」という中居くんの発言を多くの方が信じていたのではと思います。SMAPという枠組みが外れた時は、突然はしごを外されてしまった感じでした。しかし私を含めファンが先に心配したのはSMAPが好きだと公言する中居くんのメンタルだったと思います。それぐらい中居くんはSMAP of SMAPなのです。

 彼が作詞したある曲の中に「変わりながら変わらずいられる それが得意のポーズ」という歌詞があります。いつかこの言葉を、これまでとは違う新たな定義を加えた形で、私たちに見せてくれることを期待しています。

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