中東危機(イスラームVSイスラエル)を理解している日本人は1割未満?世界史の知識は必須!
これは私の推測に過ぎないが、おそらく、日本人で中東危機を理解している人は1割未満だと思う。私も完璧に理解しているわけではないが、そのへんの平均的な日本人よりは理解しているつもりだ。
この危機の本質を理解するためには、世界史を勉強しないといけない。しかし、理系は軽量科目の地理や政経を選択することが多い。文系も、日本史選択のほうが多い。さらに、世界史の偏差値50以下の人は、選択しても大学受験が終わればすぐに忘れるだろう。ビジネスに役立つスキルは重要だが、国民として、世界市民として生きていくには、世界史などの教養も必要なのだ。
この危機の根本には、イスラームも、イスラエルも、両方が被害者としての意識が強く、しかもそれが宗教的な信念なので、他者から何かを言われても納得しづらいところがある。
現代史はかなり忘れてしまったので、古代と中世、第一次世界大戦あたりの歴史からこの危機を解説する。
古代
実は、この危機の火種は古代メソポタミアまで遡る。ヘブライ人(今のユダヤ人の祖先)は、選民思想があった。また、エジプトに連れ去られたり、バビロン捕囚など、辛いことを何度も経験してきた。そして、当時のメソポタミアは次々と強い国家が形成されていたため、ヘブライ人は自らの国家を持てず、主にヨーロッパ地域へと散り散りになった。
中世
キリスト教とは、実は、ユダヤ教と似ている部分がある。旧約聖書は両方の共通の聖典だ。新約聖書はキリスト教独自のものだ。そのため、キリスト教徒による十字軍遠征は、ユダヤ教徒にとっても無関係ではなかった。一方で、イスラームにとっては、十字軍は、自分たちの聖地を奪い返そうとする恐ろしい軍だった。しかも、全員が宗教的な情熱を目的とはしておらず、略奪を行う者もいた。この十字軍のときの被害者意識も多少はあると考える。
第一次世界大戦前後
ヘブライ人の子孫は、ユダヤ人と自称し、現代にまで生き延びている。古代から現代まで生き延びる民族とは驚異的だ。おそらく、少数派だから可能だったのだろう。マジョリティは、結束力が弱い。例えば、いまでもローマ人を名乗る人はいないだろう。他の民族とは同化せず、少数派であり続けることをユダヤ人は望んだのだ。ユダヤ人がかつて住んでいた地域は、イスラーム(オスマン帝国)の支配下にあった。ここで、イギリスは、二枚舌外交を行う。ユダヤ人にも、イスラームにも、両方にリップサービスして、戦争への協力を求めたのだ。ユダヤ人は、シオニズムといって、パレスチナの地にユダヤ人の国家を再建することを夢見た。
※本当はもっと複雑なのだが、正確に知りたい人はwikipediaを読んでほしい。
第二次世界大戦後
1948年、イギリスの委任統治は終了し、ユダヤ人によるイスラエル建国が宣言された。イスラーム勢力は、元々その地に住んでいたパレスチナ人を支援する。周囲を完全にイスラームに包囲されているのに、なぜ、イスラエルは強いのか?それは、科学技術と抱負な資金にある。ユダヤ人は、実はノーベル賞受賞者が多く、天才が多数いるとされる。かの有名なアインシュタインも、ドイツ系ユダヤ人だ。また、中世の頃から金儲け(商才)に長けていた。利子をとる金融を汚らわしいとは考えなかったからだ。逆に、厳格なイスラームでは、利子をとることは許されてはいない。アメリカの金融の世界でも、ユダヤ人はかなりの勢力を誇る。時間軸は前後するが、日露戦争で日本が勝てたのは、ロシア帝国がユダヤ人を弾圧していたからだとも言われる。ユダヤ人は日本に味方したのだ。そのため、アメリカ大統領やその候補は、資金の観点からどうしてもイスラエル側に立たざるをえないのだ。
※複雑であるため、中東戦争の仔細は割愛した。