【コラボ】fratto×こころにある花#1
※フォトグラファーfrattoさんとのコラボレーション、というより作品へのファンレターシリーズです
※音声配信プラットフォーム #standfm 連動コンテンツでもあります
答えがなくてもいい夏
水辺の夕方。熱が残るものの強度はない風が吹く。
簡単なみちを示すからいい人に見える、そういうタイプの人がいる。自由と規範を両方心に持っているから、彼女は、そういう人に弱い。何かしたいと思った時、私こうしたいと言えば、単純で明快な答えが得られる。
あゆむ道がシンプルなのと安易なの、何が違うのか。割り切るか、腹をきめるかじゃない? と問いかけてきた別の人がいる。腹を決め選んだ道は、こころが楽にならないけれど、安易に決めてしまうとその時は、こころが楽になる。
もっとよい答えがあるんじゃないか?別の道のほうがよいのではないか? 正解を探し続け、答えがない可能性を手放さないことが、腹を決めることにつながる、そう説明する人だ。
味覚にも似ている。イチゴ味、レモン味、ぶどう味。単純な子供にもわかる味覚もあれば、おいしさを求めて複雑な努力を重ねて様々な味わい同士を試みた末、澄んだ単音の味わいにたどり着くときもある。