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認知症当事者も家族も自分らしく生きられる社会をつくりたい

Theoria technologies株式会社 UI/UXデザイナー
北岡 麻依子(きたおか まいこ)

学生時代は美大で空間デザインを専攻し、終末期の認知症患者のためのホスピスをテーマに制作。卒業後は大阪の受託開発会社でBtoBのサービスや業務システムのUIデザインに従事し、デザインチームの立ち上げなどを行う。2021年、医療系スタートアップのカケハシに入社。AIを活用した薬局向け医薬品在庫管理システムのUI/UXデザイナー、デザインリードなどを経験。
2024年、Theoria technologiesにUI/UXデザイナーとして入社。好きな犬種は足が短い犬。


自己紹介・認知症に関心を持ったきっかけ

はじめまして、9月に入社したUI/UXデザイナーの北岡です。
兵庫県に住んでいて、普段はリモートワークで、月に数回東京のオフィスに出社しながら働いています。

尊敬するデザイナーは工業デザイナーの川崎和男先生。好きなものはパン(特にクロワッサン)、ガジェット(Blackberry、NokiaからiPhoneまで雑食)、そしてミニチュアダックスフンドの愛犬を溺愛しています。たまにミーティングで私の代わりに返事をすることがあります。

認知症に関心をもったきっかけは、子供の頃から祖母と同居をしていた経験からでした。
私が小学生だった頃、あるとき祖母が肉じゃがとカレーを同時に作ろうとしていました(材料がほとんど同じだから、と言って)。
そして、そのときお皿に盛られて出てきたのは、肉じゃがでもカレーでもない、「透明のカレー」でした。

今ではMCI(軽度認知障害)など、軽度の段階でも自分の状態を把握することができますが、当時は家族に祖母の異変を訴えても全く相手にされませんでした。

祖母が認知症と診断されたのは、それから数年後でした。
その頃から当事者家族として、一人のひとが現在であればMCIと診断されるかな?という状態から、日常生活での意思疎通がむずかしくなり施設に入所するまで、約20年間の日々を一緒に過ごしました。
この経験をTheoriaでの仕事に生かせたらと思っています。

Theoriaを知ったきっかけ、入社の理由

当事者家族としての経験から、いつかライフワークとして認知症の課題解決に携わりたい、と大学時代から考えていました(美大での卒業制作も、終末期の認知症ケアの空間デザインをテーマにしていた)。今年の3月、たまたまそのことを転職エージェントの方(長期的なキャリアを相談していた)に伝えていました。そしてその翌月、その方から「エーザイのグループ会社で認知症ドメインの会社が設立されましたよ!!とてもタイムリーですね!」と鼻息荒めのご連絡をいただいたのがきっかけでした(感謝)。

前職のカケハシでも、とてもやりがいを感じ毎日楽しく仕事をしていたのですが、自分がいつかやりたいと思っていた認知症の課題解決に、アーリーフェーズで飛び込めるチャンスはもう人生でこれっきりだと思いましたし、面接でお話させていただいた方々の本気度を感じて、Theoriaへの入社を決めました。

4月に会社の存在を知り、7月から週1で業務委託として働き始め、9月から社員になり、あっという間の半年を過ごし、今遅めの入社エントリとしてこれを書いています。

TheoriaでのUI/UXデザイナーの仕事

現在はまだ事業が始まったばかり、UI/UXデザイナーも2名ですので、業務は多岐にわたっています。

認知症プラットフォーム構築に向けた会員基盤サービスのUIデザイン、脳トレツールの体験のデザイン、PdMの方々と一緒にOKRの検討、Theoriaのミッション・ビジョン・バリューのアップデート、note等ブランディング関連のデザイン、デザイナーの採用活動、医療機関向けのPoCの体験のデザインなど。また認知症当事者の方が開催されているイベントへの参加など、現場の理解を深めるための活動も始めたところです。

前職では、UXリサーチや要件定義、OKRの策定やロードマップ作成などが業務の大半を占めていましたが、Theoriaではどんどん手も動かし、脳の眠っていた部位も叩き起こして総動員するような刺激的な毎日を送っています。

特に、ミッション・ビジョン・バリューなど、このフェーズでしかできないことに関わることができ、今このタイミングで入社できてありがたいなと思います。
亡き父がコピーライターを生業としていた影響もあり、「言葉」を扱う表現の部分でも貢献していきたいです(noteもそのひとつです)。

これからTheoriaでどんなことをしていきたいか

認知症当事者はもちろんのこと、ご家族をはじめとした周囲の方の尊厳も守れる社会を作ることに貢献したいと考えています。

Theoriaでは、認知機能低下リスク予測チェックツールや脳トレ、認知症診療サポートアプリを提供するだけでなく、認知症に対するスティグマを解消するといったことも目指しています。

そして最近参加させていただいた当事者グループの方のイベントで、認知症当事者の方をサポートするサービスを提供するのではなく、当事者やその周囲の方と一緒に、みんなが生きやすい社会を作っていくという姿勢が大切だということを教わりました。これを実現するためにも、まずはどんどんフィールドワークを増やして、仲間を増やしていきたいと思っています。

入社して感じたこと・好きなバリュー

前職ではスタートアップの新規事業のチームにいたため、大企業のグループ会社ってどんな感じなのか、規則が多かったりカルチャーギャップがあったりするのだろうか...…など漠然とした不安がありました。

そして、いざ入社してみて感じることは、関わる方全員が自律したプロフェッショナルであり、取り組み方やカルチャーはスタートアップの空気感があることです。

みなさんとても柔和ですが情熱があり、成熟した方が多いなと感じます。そしてなにより、全員が認知症に関する課題を深く理解しようという気持ちの強さがあることが素敵だと思います。

Theoriaの5つのバリューの1つである“ Insight to Impact ”(人々の深い悩みや希望に耳を傾け、それぞれの”生ききる”を支える社会的インパクトを創出します。)は、これをよく表現していて、とても気に入っています。

最後に

デザイナーは現在UXデザイナーとUI/UXデザイナーの2名で、社内の複数の領域を横断してキャッチアップしながら活動している状態です。このフェーズだからこそなんでもできる、他職種とも距離がとても近い、おもしろい環境だと思います。

また、社会課題としての認知症への関心はもちろんですが、認知機能がさまざまな状態で使いやすいものや体験とは?というのもUI/UXデザイナーとして取り組むある意味究極のテーマだと思っています。

少しでも興味を持っていただけら、ぜひ気軽にカジュアル面談にご応募いただけたら嬉しいです。



Theoria technologiesでは、UI/UXデザイナー含め、様々な経験を持った方を積極採用しています。日本に限らず、世界的に大きな社会課題である認知症、一緒に様々な解決策を創り、社会的インパクトを創出していきましょう。