澤田四郎作の私家版『五倍子執筆目録』の紹介と目録への補足
少し前に日本の古本屋で澤田四郎作の執筆目録である『五倍子執筆目録』を購入した。国会図書館サーチで調べてみると、関西方面の大学のいくつかにしか所蔵がないようだ。貴重なものであると思われるので以下に写真を掲載しておきたい。
大きさは約21cm×約15cmで項数は46ページである。上記に掲載した写真のように奥付がないため正確な発行日は不明だが、昭和42年(1967年)までに執筆した文章が記載されていることから1967年の発行であると思われる。(CiNii Booksでも出版年不明となっている。)この目録は、なら学研究会のWebページで公開されている「澤田四郎作年譜・著述等目録」の情報元のひとつになっており、澤田の仕事を明らかにする上で非常に重要な本となっている。この目録で注目したいのは、澤田が東京在住時に発行していた雑誌『Phallus Kultus』の目次も記載されていることである。この雑誌は私が知る限り、かなりの稀覯本で昭和8年ごろにはすでに古本市場で高値が付けられており、澤田自身もこのことに驚いている。(注1)そのため、部分的であるかもしれないが、この雑誌の目次だけでも確認できるのはかなり有益であろう。
私が『五倍子執筆目録』に付け加えることがあるとすれば、加賀紫水の発行していた雑誌『土の香』についての部分であろう。この目録では『土の香』への澤田の執筆は以下のように記載されている。
上記の情報を実際の『土の香』で私が確認できた情報をもとに補足すると以下のようになり、太字が私が補足した部分である。特に『土の香』第18巻第2号に掲載された文章は目録と標題が異なっていた。
(注1)「「知」の結節点で澤田四郎作 人・郷土・学問」を参照した。以下のWebページより閲覧可能。
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