本山桂川が編集していた雑誌『史談と民俗』の寄贈雑誌と新雑誌の広告
以下の記事で民俗学研究者・本山桂川が編集していた雑誌『史談と民俗』のことを紹介したが、今回はこの雑誌の第2冊(1934年11月)を紹介したい。なお、この号は以前に神保町のオタさんも紹介されているので、その記事のリンクも掲載しておきたい。
上記の写真でこの号の目次を記載しておいたが、「閑談」は様々な人物が投稿しているので閑談に投稿している人物と文章名を以下に記載しておきたい。
生姜市の事 桂川生
氏子の禁忌 福島憲太郎
いかもの食ひ 桂川生
エゴといふ言葉 竹重虚心
ミトのアンバ 櫻田勝徳
エビス問答 桂川生
山袴の方言 桂川生
動物心理 尾崎清次
ダイノコ弁 桂川生
上記の人物の中では竹重虚心は聞いたことがなかった。この文章によると、徳島県出身の人物であるようだ。本山の関心は民俗学関連、蒐集趣味、江戸文化の研究など多岐にわたっていたが、どの分野に関心のある人物であったのだろうか。
また、当時の民俗学、趣味誌ではおなじみである寄贈図書・雑誌一覧も「寄贈図書要目」という形で掲載されているので、以下に引用してみたい。私のnoteで紹介したことのある人物や雑誌に関しては補足した。
播磨童謡抄
田舎 毎号 ※横井照秀発行
土の香 毎号 ※加賀紫水発行
土のいろ 毎号 ※飯尾哲爾発行
吉備考古
志豆波多 ※静岡で発行されていた郷土研究雑誌
方言誌
むらさき艸
山脈
伝説民話考
異能習俗考
郷土和泉 ※小谷方明発行
山村風物誌
沖縄童謡集
三宅島聞書
利島見聞記
町の思ひ出
豊語方言集
羽前村山方言
雉子馬 ※梅林新市発行
草紙
雨乞習俗の種々相
御神輿の種々相
南東叢考
ホウズキ
太白
二桃
内観
旅と伝説
最後に『史談と民俗』第2冊に掲載されている広告を紹介したい。以下の写真のように本山は『作句と俳談』という雑誌の発行を予告している。この雑誌の発行所の黎明吟社の住所は『史談と民俗』と同じように本山の自宅の住所になっているので、本山の個人誌であったと言えるだろう。私が少し調べた限り、予告されたこの雑誌が最終的に発行されたかどうかは分からなかった。少なくとも国会図書館サーチで確認したところ、全国の図書館や研究機関での所蔵はなかった。
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