考えすぎて行動できず、結果も出ない
実存が本質に先行する
サルトルという哲学者が残した言葉です。人間はまずそこに存在して、いろんな人に出会い、学び、経験し、失敗して、その後に「どんな人間なのか」が決まります。決められた何かではなく、なりたい何かになるために、私たちは存在しているのです。
いうまでもありませんが、私たちは自分の運命を決める自由があります。ですが目標を達成するためには、楽しいことばかりを追求するのではなく、まず苦しいことに飛び込むというパラドクスを受け入れる必要がある、ということもまた真理。
物事があまりうまくいかなくなると、その状況に苦しみ、悩み、不安になって囚われ過ぎてしまう。ですがそんなときこそ、周囲のなすがままでいたい。悪い結果に終わったときは、くよくよ悩まず、考え過ぎず、「なるようにしてなった」と考えるべきです。未来について必要以上に心配し過ぎないことも大切だと思います。
経験量が増えたり、知識量が増えたり、インプットをし続けているとどうしても、いろんなことが重要になり始めます。それぞれに意味があると感じて、知らず知らずのうちに身動きが取れなくなって、決断もできなくなります。
集中のパラドクス
とは、目の前のことに集中して、それ以外のことは考えずにいれば、うまくいく可能性が高くなるという心理的効果。幅が1メートルしかない板の上を歩くとき、高さが1メートルだったら簡単に歩けるのに、高度1千メートルになると恐怖で足がすくみます。板だけに集中できなくなるからです。
先延ばしすることが、脳の処理能力を無駄に消費してしまうことは科学的な研究で明らかになっています。考え過ぎずに「実行あるのみ」、そして自分に正直に、恐れることなく自分の信念を貫くべきです。周囲の妨害も我関せず。ひたすら前に進みます。
何ものにも囚われるな。
禅の教えは「今を生きる」を徹底させてくれます。「プレッシャーは大きなチャンスの前兆にすぎない」というマイケルジョンソン(元陸上世界王者)を思い出して、感情に左右されないようメンタルを鍛えておくことも大切です。
いくら待っても、完璧なタイミングはなかなか訪れません。その間に、周囲のライバルたちはどんどん先に進んでいく。たとえベストな瞬間が訪れようとも、取り返しのつかない差に呆然と立ち尽くすしかありません。何にも増してとにかく動くこと。考えることを一旦やめて、前進していこうと思います!
久保大輔