ゲームセンターの一角でゾーンに入る
最近ゲームセンターによく行く。お目当てはバスケのゲーム。見たことがない人もいるかもなので、参考画像を貼っておく。
まさか23歳になってゲームセンターに1人で行くようになるとは思ってもみなかった。元々は、週末のお昼に彼女と行きつけのイタリアンに行った後、摂取し過ぎたカロリーを少しでも消費するために向かっていたゲームセンター。そこでなんとはなしにやってみたバスケのゲームが意外と面白く、いつしか週末はそこで彼女と汗を流すのがルーティーンとなっていたのだが。気が付けば、全国ランキングに乗るために1人でシュートを打ち続ける男性の姿が、そこにはあった。
本気になり過ぎて、最近ではゲーム中にゾーンに入るようになってしまった。 感覚がゴールの一点のみに集中され、世界から音という概念が消える。私は一体なにでゾーンに入っているのか。別にゲームセンターのゲームを馬鹿にする訳ではないが、ゾーンってもっとこう、意義深くて重要なことをしているときに入るものではないのか。まさか老舗のゲームセンターの一角でゾーンに入るとは。私の脳みそもびっくりしているだろう。え、ここでゾーン入るの?って。休日に急にバイトに駆り出されたような気分だろうか。
ゾーンに入った後は、謎の達成感、多幸感に溢れている。ドーパミンとかいうやつの仕業だろう。こんなに気持ちの良いものならばずっとゾーンに入っていたいと思うが、どうやら2023年の東京はそれを許してくれないらしい。自宅にいてもスマホの通知に意識を奪われ、家から一歩外に出ると眩しいほどの灯りが網膜を刺してくる。今の時代は意識の奪い合いの時代だ。企業はより大きな音と鮮やかな色で私たちの集中を奪いにくる。私はいとも簡単に企業の策略に負け、画面に映し出されるコンテンツを倍速で消費する。本当に消費しているのは自分の時間だということを忘れて。
そんな時代の中で唯一ゾーンに入らせてくれるのが、このバスケのゲームだ。所感だが、ゾーンの発動条件の一つは焦りであり、その焦りを発動させる条件は何らかの資源が不足している状況だ。このゲームでは厳しい時間制限があり、時間という資源の不足が焦りを生み、ゾーンを生む。学生時代、夏休み最終日には必ずと言っていいほどゾーンに入っていた。あのときの圧倒的な処理スピードや成果物の質の高さを、仕事にも活かせないだろうか。
明日は月曜日。夏休み最終日の気持ちで、泣きながら仕事をしてみよう。
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