【しんけい #27】理解されにくい痛みを「伝え続ける」
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えぅさん
子どもの頃から不眠や激しい痛みに苦しんでいたえぅさん。10年ほど前、背中の強い痛みで目覚めるようになり、不眠が深刻化。6年前、疲労感が酷くなり、4日間も眠れなかったことから心療内科へ。「線維筋痛症」であると診断された。
それは、うつ病と誤診された時を初診時とすると、7年越しの確定診断であったそう。うつ病との誤診以外は、これまでどの病院でも「異常なし」と診断されてきたため、病名が分かった時は安堵。「この不調は甘えなのかも」と自分を疑う気持ちが消え、治療への希望が生まれた。
診断後は心療内科にて処方された線維筋痛症に効果があると言われている薬や睡眠薬、鎮痛剤、漢方などを服用。痛んだ時には整形外科で相談をし、電気治療を受けるようにもなった。
線維筋痛症の痛みには、ロキソニンなどの痛み止めが効かない。また、症状の個人差が大きいため、複数の病院や様々な科を受診しながら対処している当事者が多いという現状がある。
えぅさんの場合もなんとか病気と共存しながら日常生活を送れるようになったが、激しい痛みや倦怠感は消えたわけでない。姿勢を保つことが困難な日があり、気候やストレスによって大きく左右される体調に悩まされている。
翌日の体調が分からないので、先の予定を立てることは難しい。例えば、イベントに参加する時は車椅子の使用を主催者と打ち合わせる。通院のような“予約が必要な予定”をキャンセルすることも多く、申し訳なさと「いつ行けるのか、薬は足りるのか」という不安を抱え込む。
体調が良くて外出できても、翌日から疲労と激痛で何日も寝込むことも。体だけでなく脳の疲労感も日によって違うため、働くことが難しい日もあるという。
「線維筋痛症は体調に波があるので、身体障害として認められにくい。でも車椅子などの身体介助用品は必要になるので、私は安価なものを実費で購入しました」
病気と上手く付き合っていくための金銭的・精神的負担の解決法に頭を抱えてしまうのも、線維筋痛症と生きる当事者の歯がゆい現状だ。
なお、線維筋痛症は一説によると、睡眠の改善が重要であると言われている。えぅさんの場合は睡眠記録をつけて主治医に相談し、3種類の睡眠薬(内ひとつは自費)を使用し始めたことで、長年に渡る不眠を解消できた。
「睡眠外来で入院検査し、食いしばりを緩和できるマウスピースも作りました。痛みとは違い、睡眠の問題では客観的な診断や治療が得られたのでよかった」
えぅさんは午前中に太陽の光を浴びる、メラトニンサプリメントを利用するなどの工夫も生活に取り入れている。
「睡眠中に何度も目覚める中途覚醒はありますが、人生で一番安定して眠れています。薬のなかった頃の夜は、果てしなく深く長い闇でした」
現在、えぅさんはSNSやYouTubeを活用し、線維筋痛症の患者が集える交流の場「ハチドリの庭」を運営。ここには、病院から「異常なし」と診断されて我慢と諦めを重ねてきた仲間も多く集う。
フローレンス・ナイチンゲールの生誕日にちなんで制定された毎年5月12日の「線維筋痛症の世界啓発デー」には、線維筋痛症の当事者やその家族が歌う啓発動画をSNSにアップし、周知に取り組む。
歌う啓発動画にしたのは、当事者も見る側も楽しめるようなものにしたいと思ったから。長年、舞台芸術に携わってきたがゆえの温かい気遣いだ。
ひとりの患者として声を上げ、線維筋痛症の現状を変えようとするえぅさんは苦しみをひとりで抱えず、まずは患者会や難病団体に相談してほしいと話す。
「残念ながら、線維筋痛症の認知度は低いですが、適切な情報と病院の紹介を受けて治療することが大切。たくさんの病院を巡って疲れ果てて悪化してしまう前に頼ってほしい」
「痛みがある暮らしが当たり前」な当事者の日常。病気の認知が高まることで、肩の力を少しでも降ろせる日々に変わっていってほしい。
ここまで読んでくださった皆さまに‥
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