『日曜日の天使』
the angels of Sunday
Charles Bukowski
ロサンゼルスの日曜の夜はこの国の墓場だ、
やつらはみな月曜の朝を待っている
いずれにしてもオレたちはシェイキーズに向かった
もちろん、そこでは映画なんか流しちゃくれない
言うなれば葬儀場のようなところだ
7人の男たちがそこにいる
友人のダッチはイカれていて週に7日も働き、
ウェイターの1人から麦わら帽子を1ドルで買う
オレはやつらからタダで麦わら帽子をもらった
オレたちはスツールに腰を下ろしピザを食べビールを飲んだ
「ブコウスキー」ダッチが言った、「オマエは中国人みたいだな、その目は切れ目が入ってるようにしか見えねえぞ、鼻はずいぶんデカすぎるんじゃねえか、その鼻のせいで中国人にもなれやしねえか」
それからやつはスツールを何脚かくっつけその上に寝そべった
その頃オレは1日中飲んだくれていた
男が店に入ってきてピアノの前に座った
オレはスツールから立ち上がりピアノに合わせてダンスをし
麦わら帽子を宙に投げ上げそれをうまくつかみ取る
7人の男たちがオレを眺めていた
オレは白髪の女にキスを飛ばした
それでもその夜オレができることは何もなかった
その街にもオレができることは何もなかった
その夜と街は死んでいた
警官すらも姿を見せなかった
オレはダッチの身体を揺さぶった
「行くぞ、酔っ払いたい気分だ」
オレたちは出口に向かった
ダッチはビールピッチャーを盗もうとしていたし
外に出ると駐車場で何かをデザインしているように小便をひっかけていた
オレたちは車に乗り込み駐車場を後にした、
ロサンゼルスで女のいない男が2人
この国の日曜の墓場、
今日1日でオレがやったことといえば
家の外に出てタバコに火をつけて指を焼いちまったことぐらいだ、
それから家に戻りオレは1人で酔っ払った