『漁師』

The fisherman
Charles Bukowski

その男は毎朝7時半に漁へ出る
バターサンドイッチ3つに、
餌を入れた容器にビールを1缶浮かべる
埠頭から少し沖合のところで
マス用の竿を携え何時間も格闘する
やつは75歳で強い陽射しもやつの皮膚を焼くことはない
たとえどれだけ暑くても
茶色と緑色のランバージャケットは身につけたままだ
やつはヒトデや子ザメやサバを釣る:
何10匹も釣り上げる
口は決して開かない
日中になると
やつはビール缶を開ける
6時になるとやつは道具をしまい魚を入れた袋を抱え
埠頭を歩いて戻り通りを何本か渡る
サンタモニカにある小さなアパートメントに帰り
ベッドルームに行き夕刊に目を通す
そのあいだやつの女はヒトデ、子ザメ、サバをゴミ箱に捨てる

やつはパイプに火をつけ
夕食の時間を待つ

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