『犬たち』
the dogs
Charles Bukowski
犬たちは陽が照りつける中を雨の降る中を
暗闇の中を昼下がりの午後を
足早に通りを歩いて行く
通りを足早に過ぎて行く犬たちは
何かを知っているが
それをオレたちには言うつもりはない
ああ
やつらはオレたちには何も言わない
ああ そうだ まったくだ
やつらはオレたちには何も言わない
ただ通りを足早に歩き去って行く
すべては明らかだ
陽が照りつけようが雨が降ろうが暗闇だろうが
すべては明らかだ
犬たちは通りを足早に歩いて行く
やつらを見ろやつらを見ろやつらを見ろ
やつらの目をやつらの心を
犬たちは通りを足早に過ぎ去って行く
オレたちが決して理解できない何かを知っている