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『何か』を探すために、旅にいく


結論から先に述べると、
ラオスには、
色鮮やかな装いの僧侶や、メコン川、
そして、数々の寺院があることが、
この本からはわかりました。

しかし、それよりも
この本を読んだことで、
旅の醍醐味を再認識できました。

ラオスに一体何があるんだろう!?
ワクワクワク・・・・

と思い購入した、
村上春樹さんの紀行文集、
『ラオスに一体何があるというんですか?』。

ラオスのこと以上に、
大切なものを考えるきっかけになった本です。



旅の醍醐味

さて、いったい何が
ラオスにあるというのか?
良い質問だ。
たぶん。

でもそんなことを
訊かれても、
僕には答えようがない。

だって、
その何かを探すために、
これからラオスまで
行ことしているわけなのだから。

それがそもそも、
旅行というものではないか。

村上春樹『ラオスにいったい何があるというんですか?』より引用
我々の前にある風景は
その広がりと、
そのほとんど恒久的な静寂と、
深い潮の香りと、
遮る物もなく
地表を吹き抜けていく風と、
そこに流れる独自の時間性を
「込み」にして成立
しているものなのだ。

〜中略〜

いったんカメラのレンズで
切り取られてしまえば、
あるいは科学的な
色彩の調合に翻訳されてしまえば、
それは今目の前にあるものとは
全然別のものになってしまうだろう。

村上春樹『ラオスにいったい何があるというんですか?』より引用

この2つの言葉に、
強く心を打たれと同時に、
旅をすることの意味
感じることができました。


ラオスに何があるのか?

ラオスに限らず、
旅に行く前には
その地に何があるのかを
調べることが多いですよね。

しかし、何があるか、
全てを知っていれば、

また、
何が感じられるかを
既に知っていれば、

旅に行く必要は
ないと思います。

しかし、
それらがわからず、
『何か』を感じることができるから
旅に出る。

むしろ、
そのために旅に出ていると
行っても過言ではありません。


目の前に広がる景色

目の前に広がる景色も同様、
村上春樹さんが言うように、

写真や、
加工された画像からは
得られないものがあります。

それは、その地独自の
匂いであったり、
時間性であったり、
雰囲気であったり。

写真のように
切り取られた一部からは
得られない『何か
を得られるのが体験です。



本の中では、日本国内も含めた11箇所を訪れることができます

村上春樹さんの
『ラオスにいったい何があるというんですか?』
では、日本(熊本)を含めた
11箇所を紀行文を通じて
訪れることができます。

ボストン
アイスランド
オレゴン州ポートランド
メイン州ポートランド
ミコノス島
スペッツェス島
ニューヨーク
フィンランド
ラオス
トスカナ
熊本

どの紀行文も、
旅行だー!イェーイ!
という感じではなく、

静かで、
それぞれの土地の暮らしに
寄り添うように
旅をされているような
イメージでした。

特に印象的だったのが、
ボストン。

恥ずかしながら
村上さんがランニングを
嗜まれていることを知らず、

ボストンで毎朝走り、
ボストンマラソンにも
出場されていることに
驚きました。

ボストンでの
日々の様子を読むと、
ボストンの人たちの
健康志向な様子が
目に浮かびました。


その他の土地の紀行文も
読み応えがあり、
面白かったです。

上記の11の土地に行く前に
もう一度読みたい本でした。

もし、本に書かれている11の土地へ
いかれる場合は、
読んでから行くと
新しい発見があるかもしれませんね^^



編集後記

今回の紀行文集は、
1995年から2016年に
行かれた旅の紀行文が
1冊にまとめられたものです。

特に2000年代前半の
ものを読むと、

クレジットカードが
普及していない様子や、

今ほどITが普及していない様子が
どこか懐かしく感じられました。


そのため、
エッセイや紀行文の
楽しみ方として、


時代背景の異なるものを
読むのも、
新たな刺激があり
面白いなぁと感じました。




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