#357 目標設定の土俵に立つ
さて、今日のテーマは「目標設定の土俵に立つ」です。
僕が行っている作業療法をいう仕事はリハビリテーションの一つとして位置付けられています。
作業療法士は対象者の生活を支援するため、その対象者の生活背景によって目標は変わってきます。
そのため、作業療法を行うにあたって最初に重要になってくるのは、「目標設定」と言われています。
ただ、何かしらが原因で生活がうまくいかない人たちが、最初から自分の目標を明確に言うことは難易度が高く感じます。
良い目標設定を行うためには「目標が言える状況を作る」ということが必要になります。
今日は少し専門的な話です。
自己紹介とお知らせ
僕は、某リハビリテーション病院で作業療法士の中堅管理職として働いています。対象者の課題と向き合うことはもちろんですが、スタッフのストレスやチームの運営にも日々向き合っています。
このnoteでは、仕事の考え方や医療者としての働き方、コミュニケーションや人間関係、ストレスマネジメント、作業療法に関するさまざまなテーマを取り上げ、日々の感じたことを自らの解釈として記録しています。
読んだ方の何かお役に立てれば幸いです。
以下お知らせ。
◾️第28回福岡県作業療法学会
来年行われる福岡県作業療法学会の学会長を行うことなりました!これから1年間準備行っていきます。noteでも「学会長の奮闘記」を定期的に書いていこうと思います。マガジンでまとめてますので、よかったらスキを押して応援よろしくお願いします!
◾️湘南OT Interaction
作業療法士向けの研修会を行なっている湘南OT交流会の支援の元、「新しい学び場を作る」ことを目的として立ち上がりました。「学びたいけどどうしたら・・・」と悩むOTの方と一緒にコミュニティ作りを支援します。定期的に勉強会も行なっているのでよかったら。
それでは本題に入っていきましょう。
目標を言うには条件がある
「目標設定」という言葉は作業療法以外の場面でもたくさん使われています。
でもいざ「目標を立てましょう」と言われた時にすぐに答えられる人はあまりいないと思います。
「どうしよう」
と思う人が大半です。
これには「自己効力感」が大きく関係していると思います。
「自己効力感」は自分の能力の認識です。
自己効力感が高い人(自分の能力の見積りが高い人)は、目標を立てるときに「もっとできるかも」と考えます。
自己効力感の低い人(自分の能力の見積りが低い人)は、目標を立てるときに「うまくいかないかも」と考えます。
これは目標設定においては重要な要素で、自分の能力を自分自身がどのように見積もっているかによって、その後の未来の予想は変わってくるわけです。
側から見たら全く同じ能力の人間が2人いたとしても、自己効力感の違いによってその未来の描き方は変わってくるということです。
「目標設定がうまくできない」
という状況になると、どうしても「どのように目標を立てればいいか」と考えがちですが、その前に目標を立てる張本人が「自分の能力をどのように考えているか」を探ることも必要になると思います。
もしかしたら、「目標設定をするための土俵に立ててない」という人もいたりして、その時に無理やり目標を立てても、良い目標設定はできません。
逆に相手を傷つける可能性もあるため、注意が必要です。
目標設定のタイミングを図る
では、どうすれば良いかというと「目標設定をするための土俵に立つ」ところまで持っていくための関わりが必要になります。
そのためには自己効力感が高まる関わりが必要です。
自己効力感を高めるために一番分かりやすいのは「成功体験」を積むことです。
何かに成功するれば、自分の能力の見積もりは高まります。
そのタイミングでは、本人も「もっとなにかできるかも」と考えやすい状況にあるので、目標設定のタイミングとしては適切だと思います。
なので、対象者との日々の関わりで、無理に目標を立てる必要はないんですね。
まずは「目標設定が可能な状況なのか?」を振り返ってみるところから始めることが必要なんだと思います。
目標設定は未来志向の考え方です。
その目標を道標にして、今からどの方向に進むかを考えることができます。
それは人を行動づけます。
行動づけられた人はまた新しい一歩を歩むことができるわけです。
目標設定を行うことにとらわれる必要はないですが、それを諦めるのももったいないと思います。
目標設定がうまくいかない人は「土俵に立てているか?」を考えてみることが必要だと思います。
今日は以上になります。
頑張るあなたを応援しています。
最後まで読んでいただきありがとうございます。
読んでいただいた方のヒントになれば幸いです。
ではまた。
◾️質問箱
質問箱をGoogle formで作りました。仕事や生活などでの悩み(それ以外でも)があれがご記入ください。いただいた質問は、記事にして返信したいと思います。