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アルフレッド・シスレー / メトロポリタン美術館
読了ツイート集:ニーチェから岡本太郎まで
今回は執筆に時間をさけなかったので、読了ツイート集。ツッコミを入れながら読んでくださると、ありがたいです。
📘ニーチェ『悲劇の誕生』

秩序を尊ぶアポロン的な世界観と混沌が前面に出されるデュオニソス的な世界観が提示される。
門外漢なので詳細な読解はできないが、「アポロン的/デュオニソス的」という二極の緊張関係から、世界を捉えていくという発想は、ひとつ普遍的な物差しになるのかもしれない。トーマス・マン『ヴェニスに死す』と同時に読むと納得しやすい議論かもしれない。
ちなみに、トーマス・マン『ヴェニスに死す』については、こんな記事を書いています。ぜひご覧ください。
📗尾崎翠『第七官界彷徨』

人間にはさらに第七官もあるのだという。
フロイトの精神分析の延長線上にあるSF小説としても読めるかもしれない。
人間の五感、第六感。その奥には第七官があり、恋をしているときに働くという。少女はそんな第七官に響くような詩を書きたいと願う。精神科で働く長兄に、蘚の研究をしている次兄。音大浪人をする愉快ないとこ。春風にたゆたう家庭を舞台に、うわついた狂気を描く。
登場人物のテンションの高さは、どこか埴谷雄高『死霊』と似通っているようにも感じます。
📙B・W・オールディス『地球の長い午後』

『メイドインアビス』が好きな方にオススメかも?
植物が天下を取っている温室、地球。セルロースの摩天楼に襲い掛かる蔓。クモに似た巨大植物が織りなすネットワークをたどって「天」を目指していく。ここではないどこかへ。しかし、午後から旅に出るなんて、目的地に着くのは夜になってしまう。
📕岡本太郎『美の呪力』

その点でも見逃せないところが多いエッセイ集。
古今東西の文化やモチーフについて、詩的感情をつづったエッセイ。ピカソの『ゲルニカ』からテスカトリポカ、曼荼羅にソドムとゴモラの劫火。石と血と炎と生命と夜と仮面から人間の本質的なドラマを抉り出しつつ、やがては宇宙をあやとりで彩るにいたる。
佐藤究『テスカトリポカ』をいつかは読みたいと思っているのですが、読む機会を逸してしまっています。宗教美術についてももっと掘り下げていきたいところ。ゴダールやタルコフスキーの映画も鑑賞したいですね。最近はせわしない映画ばかりを観ています。
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