こんな本を読みました【2023.5】①
本日は、5月の読書記録をお届けします。
さくっと、いってみよー!
★『常識のない喫茶店』僕のマリ
お店の意向に合わないお客は、ためらいなく出禁にする。そんな喫茶店で働く僕のマリさんのエッセイ本。
客がお店を選べるように、店もお客さんを選んでいい。同じ業界に携わる者として、共感したり、うらやましく思えたり、笑えたり。
ほんとはね、もっとこういうお店が増えてもいいんじゃないかと思う。おいしい珈琲のお店には、珈琲のことだけに集中してほしい。そして、さらなるおいしい珈琲を飲ませてほしい。
日本の接客業は、たぶん全方向に気を遣いすぎなんよね。余計な接客トラブルで時間や労力を取られるのって、すごくもったいない気がする。海外では、もっとぶっきらぼうな店員さんが、いくらでもいるって言うじゃない?
人間同士と一緒、お店と人だって相性があるよ。合わないなら、行かなきゃいいんだから。原価+おいしい珈琲を提供するための手間暇だけで、平均的な珈琲一杯のお値段をはるかに超えてると思う。そこに、余計な問題を解決する手間賃が入る余地なんてないはずなのに、お客は好き勝手なことを言う。
とはいえ、「あなた出禁です!」って言うのは、なかなか勇気がいることだろうな。少なくとも、いまの私には言えない。
正しいと思ったことは、きちんと主張する。相手に伝える。そうやって、自分自身の殻がどんどん割れていって、剥き出しの自分をさらけ出しても、それを認めてくれる仲間がいる。
この本は、常識のない喫茶店で働くことにより、自分を認めてあげることができるようになった、僕のマリさんの成長記でもある。
喫茶店で起こったできごとを、ただ書いただけのエッセイではない。そこが、たまらなくおもしろい。
★『書きたい生活』僕のマリ
もう一冊、僕のマリさんのエッセイ。
『常識のない喫茶店』の続編にして完結編とうたわれている。
前作が刊行されたあと、僕のマリさんは例の喫茶店を卒業されたらしい。この本は、卒業前後に書かれた日記+後日談を兼ねたエッセイで構成されている。
ブログを書いたり、同人誌を販売したり、ひたむきに書く生活を続けていたマリさんが、カルチャー誌の編集者の目に留まり、連載コラムを担当することになった。そこから商業出版を果たし、作家としての生活がはじまった。
書くことが好きな人、書き続けている人には、とても興味深い内容だと思います。
私は、この本を読んで、めちゃくちゃ日記が書きたくなりました。
私は書くのが好きだけど、表現するのは苦手。力量不足による苦手意識といったほうがいいのかな。言わなかったことや言えなかったことを、言語化できないのです。
思考する時間がないor短いというのが大きな原因だと思うのだけど、仮にじっくり考えたとしても、いまの気持ちにドンピシャに当てはまる言葉が書けるのかと言われたら、疑問です。
マリさんはこの本の中で、『日記は、筋トレ』と述べています。そうだよなぁ。書く力も、表現力も一朝一夕では成り立たない。『日記を書くことは、書くドリルのような感じ』とも。
子どもの漢字ドリルや計算ドリルと一緒なのかも。毎日の宿題はめんどくさいけど、だからこそ基礎体力がつくのよね。
僕のマリさんの日記は、ずーっと読んでいられる。ありふれた日常を書き綴っているだけなのに、不思議。毎日をていねいに、自分を大切に生きているのが伝わってくるような気がする。
そして、時折、マリさんらしいドキッとするような言葉のチョイスが心にひっかかる。エッセイとはちょっと違う素の文章が、等身大のマリさんを表しているように思えて、いつまででも読んでいたいと思えるのでした。
以上、僕のマリさんの著書を2冊紹介しただけで、かなり長くなってしまったので、全2回にわけて、読書記録をお届けしたいと思います。
いやー、僕のマリさん、めちゃくちゃ好きになっちゃったんよなー。ちょっと語りすぎてしまった……。
パート2は次回!
もう少々お待ちくださいませ。
ではでは、またー!