【俳句】実朝忌6句
梅が香は潮干のかなた実朝忌
女には慰めかねつ実朝忌
安寧に風雅にほへる実朝忌
諦念の亡び静けき実朝忌
海底の臥龍金槐しのばせて
金槐忌世々の歌びと震ふかな
*本日陰暦1月27日は鎌倉幕府第3代将軍源実朝の忌日。『金槐和歌集』を残す。実朝は女性に関心がなかったとも推測されている。和歌の道において革新的な事業を次々と成す後鳥羽上皇への思慕と共有される歌心。つかの間の平和。亡びを体現した者が詠んだ歌に、特別な力が宿らないことがあろうか。風雅(文芸)の道には、実朝の存在が霞のように漂っている。