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短歌

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2023年7月の記事一覧

【短歌】悪魔だって反省している

ガソリンを捨つる人あり捨てられず堕ちゆく人もありと知るべし

 よかれと思ってしたことが相手にとっては迷惑だった。なぜだろうと考えを巡らせていると、少しでもルーティンを乱されることに対処できないのだと思い至った。私のことが悪魔に見えたに違いない。
 イタリアの映画監督ミケランジェロ・アントニオーニは、空撮中の小さな飛行機を不時着させなければならなくなったとき、「できるだけ(機体を)軽くするために、

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【短歌】古典目線2首

【短歌】古典目線2首

もう嫁に行ける年だね制服の下の御御足はつらつとして

小姓かな声変はりそめし男子の道着に映ゆるながき睫や

【短歌】梔子の花2首

梔子の香をまへにして声うせて時を分かたず溺れゆくまま

梔子の香のあけくれに染みつけば枯れたるのちをいかに過ぐさむ