#1465 個別学習と協働学習の矛盾
「個別最適な学び」と「協働的な学び」の一体的な充実が叫ばれている。
個別最適な学びの代表格が「自己調整学習」や「自由進度学習」である。
このような個別学習は、「個人が学習内容を習得すること」に重きが置かれる。
その中で、必要に応じて自由選択的に協働をしていく。
これを「ゆるやかな協働」と言うこともある。
しかし、重点は「個人が学習を理解すること」である。
それが全面に出てしまうと、「自分が学習を終えればそれでOK」「自分さえよければいい」という独りよがりな学習になってしまう。
この点に個別学習の弱点がある。
一方、協働的な学びの代表格は『学び合い』や「協同学習」である。
このような協働学習は、「集団の全員が学習内容を習得すること」に重きが置かれる。
そして、主に学習の前半において、個人思考という「個による学習」が行われる。
しかし、重点は「集団の全員が学習を理解すること」である。
それが全面に出てしまうと、「理解の早い子どもが理解の遅い子どもに無理やり説明をして満足する」「一見全員の子どもが理解したように見えても、個人の学びが深まっていない」という現象に陥ってしまう。
この点に協働学習の弱点がある。
以上のように、個別学習と協働学習には弱点が存在する。
では、この矛盾をどう解決すればよいのか?
それは、それぞれの良い面を採用するということである。
個別学習では、「個の学び」を優先する。
なので、授業の最後に、「個人の学び」をアウトプットさせ、理解が深まったかを確認することが重要となる。
また、協働学習では、「集団の全員の課題達成」を優先する。
なので、授業において学習課題を解決する際は、集団による学び合いを重視し、集団の全員が理解できた状態を目指すことが重要となる。
このように、個別学習と協働学習を矛盾させることなく、良い面をそれぞれ採用し、授業に組み込んでいくのである。
授業の前半における「個人思考」と、後半における「個の学びのアウトプット」が個別学習の要素である。
そして、授業の中盤・山場における「学び合い」が協働学習の要素である。
これらの要素を重視した学習をデザインするようにしていきたい。
では。
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