なにかが、おかしい ⑩
昨日、県立高校前期選抜の結果が出て、今年の高校受験生の進路は最初から後期まで粘る予定の1名を除いて決まった。
中学受験、高校受験、大学受験ー3つの受験の中で、私にとって毎年、一番悩ましく、不可解なのが「高校受験」だ。
受験に対する「一大事」のような大人の対応は、私にとって全部不可解だけれど、高校受験ほど悩ましいものはない。
他の地域はわからないけれど、松阪地区では、中学3年生の3学期がどんどん、おかしなことになっている。
松阪市では、1月10日すぎから中学3年生の学年末試験が始まる。
毎年冬休みが明けるのは、2学期制でも3学期制と同じ8日か9日だ。今年は、9日から学校が再開され、寺子屋に通う中学3年生の通う4校のうち、3校が11日から学年末試験だった。
そして、
1月25日前後から1月末まで 私立高校入試 (結果1月末~2月初め)
2月5日前後に県立高校前期選抜入試 (結果14日か15日ごろ)
2月半ばから後半の中学1・2年生の学年末試験に合わせて実力テスト
3月8日前後に卒業式
3月10日前後に県立高校後期選抜入試 (結果は1週間後)
というのが、中学3年生の後期後半のスケジュールである。
受験中心のスケジュールは、クラスの半分が2月の半ばまでに進路を決め、2月はほとんど授業にならないと聞く。
保護者の方も、早く決まることを望む人が増えていて受験が終わると今までの勢いはなくなり、勉強をしなくなる生徒も多い。
ー 高校でも勉強は続くから
と、この時期何度も生徒たちに言う。受験は単なる通過点だ。大事なのは入学してからだ。
もう10年以上前だと思うけれど、ある津の県立高校の学校説明会が初めて開催されたとき
その高校は、「前期選抜」に参加しないのかと尋ねられたときの校長先生の言葉を今でも覚えている。
ー前期選抜と後期選抜、両方受けて進路を選べるというような制度に変わらない限り、前期選抜に参加することはありません。周りに惑わされず最後まで頑張れる生徒がわが校が求める生徒です。
というような内容だった。
進学校に行くなら、この学校を寺子屋では生徒たちに勧める理由の1つでもある。
進路が決まったということは、今後の目標が新たに決まったということなのに、脱力が2か月も続くなんてわけがわからない。高校に行く目的を今一度、しっかりとご家庭で話合ってほしいと、子どもたちの「合格」の知らせとともに思う季節がまたやってきた。