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【事例紹介】10年続くゲームの秘訣
この記事の作成担当:株式会社テンタス 代表取締役 小泉智洋
このゲーム開発に関しての記事を書くために、ふと大昔に企画した当時のクライアントのサイトを見てみたら、、、まさか現在までサービスが続いている!!!
まさか10年以上前に私が作ったゲームがいまだに現役とは!!
当時はFlashで作成したゲームだったので、現在は色々リニューアルされていたりスマホ対応して機能が追加されていたりするようですが、ゲームの基本コンセプトはそのままでした。
リリースしてから10年以上経ってもいまだに愛されているゲームを作れたことをちょっと嬉しく思いました。
最初の依頼と本当の課題
10年前の話なのでちょっと記憶を手繰り寄せながら書いています。
確か最初は「クライアントが運営している会員サイトの活性化を図るためにユーザーが毎日サイトに訪れてくれるようなゲームを作りたい」といったご依頼だったような気がします。
このオーダーには2つの落とし穴があります。
1.そもそも会員サイトに登録しているユーザーの登録動機の大半はプレゼント当選
2.ユーザーが毎日来るだけではサイトの活性化はしない
ということです。
これは目的と手法が逆転しているよくある落とし穴なので、最初の提案はゲームの内容ではなく、既存の「新規流入数、初月退会率、平均継続月数」を明らかにしたうえで、どこをどう伸ばしたいのか?といった数字での目標設定からスタートいたしました。
結果として、
・新規流入は既存のプロモーションで入っているので今回の課題ではない
・初月退会率をなるべく抑えたい
・平均継続月数はなるべく上げたい
つまり、【毎日来てくれるゲーム】ではなく【長く遊んでもらえるゲーム】が目的ということが明らかになりました。
モチベーションの設定
落とし穴1で記載をしたユーザーの登録動機がゲームではないのも問題でした。
流入は既存プロモーションがベースになりますので、今後入ってくる新規ユーザーも今までと同様にプレゼントをもらいたいユーザーが殆どのはずです。
そんな人たちに「ゲームができたよ!」と言っても、悲しい結果になることは明白でした。
ですので、モチベーションは「ゲームを遊ぶこと」ではなく「ゲームを遊ぶことでプレゼントをもらえる(かもしれない)」ということに設定をしました。
ゲームの企画
ここまで決まってしまえばあとは簡単です。
・ロングスパンで遊べるゲーム
・ゲームファン向けのゲームではない。
・そもそもゲームをしない人でも遊べる
・ゲームを遊ぶことでプレゼントをもらえる(かもしれない)
つまりロングスパンで遊べるライトゲームで射幸心も少しあると良いということがわかりました。
ここまで企画の幅が狭まれば後はプランナーの力量次第です。
数回の企画会議を経て決定したゲームの内容は、、、
木を育てる!
言葉にするとヤバいですね。
でも本当に単純に木を育てるゲームなんです。
毎日出来ることは「水やり」「肥料をあげる」「草むしり」の3つを1日1回。
これを続けることで数日で木が成長して実が生り、その実を出荷するとプレゼント抽選の権利を獲得できるといった、ゲームプランナーも激怒してしまうような、そもそもゲームなのか?といった内容でした。
もう一度モチベーションを確認
そもそもユーザーの大半はプレゼントをもらいたいユーザーなのでゲームのハードルは低ければ低い程よかったのです。
いくらプレゼントが欲しくても、ゲームが難しかったり面倒だったりするとすぐに離脱してしまうのは今までのデータからも明らかでした。
ですので、今回は見た目は本当にシンプルで1画面でルールを全て説明できることを重視しました。
そしてスルメのような遊び方へ
遊んでいると、木の実の収穫量にばらつきが出ることがわかります。
しかもゲームをしていると、様々な場所に様々なヒントが出てきます。
「毎日お世話をすると沢山実が生るぞ」
「木は早い時間にお水をあげると喜ぶぞ」
これらのヒントでユーザーは
「あれ?もしかして沢山収穫するためには攻略法がある?」と気が付くようになります。
実をたくさん収穫できるとランキングにも登場しますし、プレゼントの当選率も若干上がるような仕組みにしていました。
このように入口のハードルを下げてライトユーザーを捕まえ、遊んでもらいながら少しづつ楽しさを自分で発見してもらえるようにしたことで、10年も続くコンテンツになったのではないでしょうか。
今回はコンテンツとしてゲームになりましたが、弊社では「目的を達成するためにまずは何をするべきか?」からご一緒させていただいております。
結果としてデジタルで何かをするよりも店頭でチラシを配った方が良い場合もございます。
そこも含めてのマーケティングでございますので、明確なこれを作る!といった制作物のイメージがなくともまずはご相談くださいませ。