釈尊の伝えた事
◉無明
無明とは物事の真理•原理原則の事。
無明に繋がる原理原則は3つ。
①【物事は常に変化している】(諸行無常)
②【因果の結びつきから独立した実態は無い】
(諸法無我)(原因と結果の法則)
③【この二つを知れば安らぎが訪れる】
(涅槃寂静)
◉中道
極端な二つの立場や行為から逸脱し、
その間にある中間の道を指す概念。
これは、極端な快楽主義や苦行主義の追求ではなく、心身の調和や穏やかな生活を目指すことを意味すり。
また、中道は様々な二元論を超越し、全てのものが相互に関わりあって存在しているという考え方を示している。
中道は仏教の基本的な教えの一つであり、エゴや執着を超えることを目指して修行を行う際に重要な指針となります。
◉四諦
四諦とは、受け入れる事、諦める事、であり、
手ばなすという事。
①苦諦
どう頑張ってもどうにもならない事は必ず存在するものだと受け入れる事。
②集諦
どうにもならない事をどうにかしようと抗ったり、
執着し続けるから苦しいという事。
③滅諦
執着を手ばなす事ができれば、
受け入れる事ができ、苦しみが和らぐ可能性がある事。
④道諦
道を求める。
毎日の生活の中で実践と経験を繰り返すこと。
①〜③が腹落ちし、
物事の本質が腑に落ちた時に執着を手放す事ができると言われている。
毎日の出来事の全ては執着を手放す修行という事ができる。
◉八正道(四諦に示された涅槃に達する為の道筋)
仏教の教えの一つで、
仏教徒が理想とすべき道しるべとされる八つの教えのことを指す。
これらの教えは以下の通り。
1. 正見(しょうけん):正しい考え方や見方を持つこと。
2. 正思考(しょうじこう):正しい考え方や思考を持つこと。
3. 正語(しょうご):正しい言葉を使い、正直に話すこと。
4. 正業(しょうごう):正しい働き方や行いをすること。
5. 正命(しょうめい):他者を傷つけず、生命を尊重すること。
6. 正精進(しょうしょうじん):精進し、自己を鍛えること。
7. 正念(しょうねん):正しい考え方や心持ちを持つこと。
8. 正定(しょうじょう):正しく冷静な心を持つこと。
これらの八つの教えを実践することで、
仏教徒はより良い生活を送り、
悟りを開くことができるとされています。
◉六波羅蜜
六波羅蜜(ろくはらみつ)とは、ヒンドゥー教や仏教などの宗教で重要視される美徳や修行の六つの要素を指す言葉。
これらの六つの波羅蜜(パーラミタ)を実践することで、修行者は悟りや解脱を得ることができるとされています。六波羅蜜には以下のような要素が含まれています。
1. 布施(ダーナ):物質的な寄進や慈善を行うこと
2. 持戒(シーラ):悪徳を避け、善行を身につけること
3. 忍辱(クシャンティ):苦難や困難に耐え忍び、怒りや悲しみを抑えること
4. 精進(ヴィールヤ):努力や熱意を持って修行に励むこと
5. 禅定(ディヤーナ):瞑想や集中力を養い、心を浄化すること
6. 智慧(プラジュニャ):深い理解や真理の認識を得ること
これらの六つの波羅蜜を実践することで、修行者はその道を進むことができ、【悟り】や【解脱】を得る目的に近づくことができるとされています。
◉涅槃寂静
仏教の教義において、涅槃寂静(ねはんじゃくじょう)とは、極楽浄土や天界に至ることを意味するものではなく、修行者が煩悩や苦しみから解放されること、心の平穏と穢れのない境地を指す言葉です。
この状態に到達することで、修行者は永遠の安らぎや幸福を得るのではなく、苦しみや煩悩といった世俗的な束縛から解放されることができます。涅槃寂静は、真の自己を発見し、心の平穏を実現することを目指す修行の最終的な目標とされている。