『明治神宮(原宿 2024年10月下旬)〜明治神宮が観光地化した今、見えてきた新しい日本の風景
原宿に用事があったので、少し早めに出かけて明治神宮に立ち寄りました。以前はJR原宿駅からかなり遠回りしないと行けなかった明治神宮も、駅からすぐの出口ができたおかげで、気軽に訪れやすくなりました。
10年ほど前までは休日でも境内は人が少なく、のんびりと散策できたのですが、ここ数年は特にコロナの影響が落ち着いてから多くの人が訪れるようになり、すっかり観光地化した印象です。
私が訪れた日も、よく晴れて気持ちの良い天気だったため、境内は多くの参拝者や観光客で賑わっていました。
肌にあたるだいぶ涼しくなり、秋の訪れを感じさせました。
境内の入口にある巨大な鳥居付近で、ヒジャブを巻いたイスラム教徒の女性二人組が歩いているのを見かけました。イスラム教的には他宗教の偶像崇拝は禁止されているイメージがありましたが、ここも観光地として割り切って訪れているのかもしれません。以前から見かける白人系の観光客に加え、近年は中国や東南アジア系の観光客も増えたようで、特に中国からの団体が多く、境内で大声で話す声が目につきます。また、韓国語の旗を持つガイドに案内された中高年の韓国人の団体も見かけ、少し驚きました。20年前であれば、歴史的背景から明治天皇を祀る神社にはそれなりに抵抗感があったのではとも思うので…
時が経ち、さまざまなことが変わるのを実感します。以前は「韓国や中国は日本と異なり、過去を忘れず恨みを持ち続ける」といった文章を読んだこともあったのですが…もしかすると日本の国力が以前より低下したことも影響しているのかもしれません。
どの観光客もスマホで記念撮影している様子が、今の時代らしいなと思います。以前は日本人がカメラでひたすら写真を撮る姿が揶揄されることもありましたが、いまや携帯電話にカメラを組み込むという日本発の技術が、世界的な習慣を生み出しているのも、興味深いと感じました。
この日は、明治神宮で和装の新郎新婦と親族が境内を横切る結婚式も行われており、インバウンドの観光客にとってはインスタ映えするパレードのようで、皆熱心に撮影していました。
その後、明治通り沿いのハイブランドのショップが並ぶ道を歩いていると、先の戦争についての石碑の横に、白人の観光客がキャリーバッグを置いて休んでいるのを見かけました。今行われている様々な紛争地でも、何十年後かにはかつて対立した人々が肩を並べて観光を楽しむ日が来るのだろうか、と思いながらその場を後にしました。
自分なんて大した人生経験を積んでいないと思っていましたが、こうして生きているとさまざまな「答え合わせ」ができるのだと実感したりしました。
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