
『「伝える力」と「地頭力」がいっきに高まる東大作文(著:西岡壱誠)〜東大生が実践する「わかりやすい文章」の作り方とは?
【内容】
漫画『ドラゴン桜2』の情報提供を担う東大生団体「東龍門」のリーダーを務める著者が、東大の文章術をまとめた本。
【感想】
文章を「どう書けば読んでもらえるのか」と悩んだことはありませんか?
今回読んだ本は、そんな疑問に対して、東大式の文章術を伝授してくれる一冊でした。
この本では、「文章を書く」という行為を丁寧に要素分解し、それをレトリックを駆使してわかりやすく解説しています。たとえば、文章を木に例える手法が印象的でした。文章の骨子を幹や枝に見立て、その組み立て方を視覚的に説明しているため、とても理解しやすいと感じました。こうした絵解き的な手法は、著者が漫画『ドラゴン桜2』の情報提供を担う東大生団体「東龍門」のリーダーを務めていることと無関係ではないのかもしれません。
また、この本の大きな特徴は、「東大」「東大作文」といったワードを強調している点です。こうした「東大」ブランドを前面に押し出すスタイルが目立つようになったのは、『ドラゴン桜』のヒット以降のトレンドなのかもしれない、とも思いました。
ふと昔のことを思い返してみると、東大や京大といった名門校の出身者が書く文章には、難解な漢字や横文字、持って回った言い回しが多く、一般の人にはとっつきにくいものが少なくなかった印象があります。しかし、現代では本を読む人自体が減っており、さらに難解な文章が敬遠される流れがあるように感じます。
一方で、頭が良いからこそ「簡潔でわかりやすい文章」を書く方向にシフトするのは理にかなっていると感じました。本書を読んでいると、東大生らしい合理的なアプローチが文章術にも反映されており、自分自身もその手法を取り入れてみたくなりました。
特に印象に残ったのは、「あとがきを先に書く」という考え方です。これにより、文章全体の「論理の貫通性」、つまり一貫性が保たれるという話は非常に納得感がありました。
また、記憶に残った言葉としては、次のようなものがあります。
* 最後が明確でないと書き始められない。
* 相手の疑問を先取りする。
* 短くまとめられれば、勝ち。
* 客観的な文章よりも、主観的な文章の方が読みやすい。
本書の分量はそれほど多くなかったので、著者の他の著作も読んでみようかな、と思わせる内容でした。
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