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『ボールのようなことば。』(糸井重里 著)

【内容】
『ほぼ日刊いとい新聞』主催の糸井重里の短い文章や詩のようなものを集めた文章集。

【感想】
伝える技術と、独自の時代や世界を切り取る視点の沢山のピースを集めた標本箱のような本でした。
簡素な言葉で、サラッと言葉で刺してくる…

コピーライターとして培ったものの見方や手法が、習慣のように言葉にする癖のようなものかも知れないと感じたりしました。
コピーライター的な手法で言葉にすると、色んな言葉がキャッチーなものになっていく…言葉同士の対比やぶつけ合い、レトリックの手法など…
もしかすると、誰かの言葉時間をかけてを糸井重里流の言葉に変換し直したものとかもあるのかなあとか…
ただ、それが自分の中の実感を伴うようになって濾過されると、自分の言葉になるのかもしれない。
そうしたものと、日常の何気ないことを言葉にしていく蓄積の中から、紡ぎ出される言葉の中から、刺さる言葉になっていくのかなあと思ったりしました。

なかなかこうした自分の言葉で、わかりやすく突っ込んで考え続けることは、社会のあれこれとした雑事に関わっていくうちにしなくなっていくんだろうなあと…
上手く言えないですが、飴玉を口の中で弄んでるように、言葉を舐め回してるみたいな…
自分の言葉で語る人で言うと、一時、文筆家の橋本治の本などを馬鹿みたいに読んでた時期もあったのですが、そこら辺の文章とも似た面を感じたりしました。

著名人としての糸井重里というペルソナと、実像としての糸井重里はそれなりにずれているとは思うのですが…
そのズレや境界を何度も引き直してことも、言葉を使って行なっているのかなあとも思いながら、読んでいました。

※見出し画像は、先程自分で撮った写真です。

https://www.1101.com/books/toss/

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