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『キングオブコント2024』〜東京03飯塚が象徴する“お笑い世代交代”と、変わりゆく笑いの形

視聴環境:TVer

【内容】
年1回開催されるTBS主催・運営のコントのコンテスト番組。


【感想】
キングオブコントを観て、色々と考えが浮かんできて、とりあえずnoteに上げたりすることを想定せずに、スマホにメモしていたのですが…
それなりの文字数になったので、noteにあげてみることました。

年々、お笑いコントは、自分が子供の頃に観ていた昭和のコントとは隔世の感があると感じました。今年の優勝者ラブレターズをはじめ、単に笑わせるだけではなく、人間の悲哀や可笑しみを描く内容が多く、5分という短い時間でその要素を盛り込み、演じきる構成力や創作力が高くなっていると感じました。

最近ではお笑い番組を観る機会が減り、出演者もあまり知らない中で、5分間のコントで笑わせるのはかなりハードルが高いと思います。それでも、笑いのレベルにはばらつきがありつつも、どのコントも笑える内容に仕上がっていて、技術の高さを感じました。

審査員から松本人志が抜けたことで、どうなるのかと気になっていましたが、誰も触れないながらも彼の存在感が影のように漂い、彼の功績があってこそ成り立っている「中空の存在感」を感じました。
松本人志の不在を埋める形で、東京03の飯塚悟志が審査員席の中心に座っていることに、時代の変化を象徴するような印象を受けました。お笑いコンテストを立ち上げ、引退するまで盛り上げ続けた松本や島田紳助と、かつてその島田紳助から叱責を受けた東京03が審査員の中心を務める姿には、時代が変わったと感じざるを得ません。
審査員たちの評価の基準も興味深く、萩本欽一やドリフターズの頃のコントとは隔世の感がありました。

優勝したラブレターズのコントは、単なる笑いを超えた哀愁や人間の奥深さも含んでおり、小劇場系の演劇に通じる手触りを感じました。
漫画やアニメの世界もそうですが、かつてはサブカルチャーとされたジャンルがメインカルチャーへと移り、表現の幅や深さを増していると感じました。
また、司会の浜田雅功がやたらにソフトになっていたり、笑いの質も、人を嘲笑うタイプのものが減っていたりしたのも印象に残りました。

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