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ナチスの映画を撮ったレニ・リーフェンシュタール。彼女の栄光と代償を描いたドキュメンタリー映画『レニ』

視聴環境:U-NEXT


【内容】
第二次世界大戦時ドイツで、ナチスのプロパガンダ映画を撮ったレニ・リーフェンシュタールのドキュメンタリー。
当時の映像や、高齢となったリーフェンシュタールのインタビューから構成した作品。


【感想】
小学生の頃、池袋西武で開催された彼女のアフリカの人々の写真展『ヌバ』を観ました。人間を撮っているのに、どこか怖さを感じるほど艶かしく、それまでの人間観とは異なる何かが映し出されていました。
女優として成功するまでに、怪我で挫折したバレリーナから、その後フリークライミングまで挑戦する姿に驚かされました。また、評価の高い一方で悪名も高い映画の創作秘話が語られ、興味深かったです。彼女は映画の手法を開発した人物の一人であり、高齢になってもなお驚くほどパワフルでした。
彼女の映像技法は、政治キャンペーンや映画に影響を与え、スター・ウォーズの帝国軍やオリンピック映像などに既視感を覚えました。『意志の勝利』の制作を語る彼女はファシズムとの関係性を否定しつつも、語る表情には自負と幸福感がにじんでいました。
歴史が違えば巨匠になっていたかもしれませんが、ナチスへの協力をどう捉えていたのかは疑問です。彼女の姿勢はどこか他人事のように見え、自分が同じ立場ならどうしたかと考えさせられました。
彼女はヌバ族の映像を多く残しながらも映画化せず、60歳でヌバの人々と踊り、90歳でも映像編集に没頭していました。現代の右翼台頭の中、彼女の存在はどのように受け止められているのか、気になるところです。

https://eiga.com/movie/50883/

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