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『クリードⅢ 過去の復讐』(洋画)

視聴環境:Amazon prime video

※ネタバレします。

【内容】
『ロッキー』のスピンオフ作品『クリード』シリーズの3本目の劇場作品。

クリードの幼い頃、施設で一緒に育ち刑務所から出て来たばかりのアンダーソンがボクシング世界戦に挑みチャンピオンとなる。
そして、不動のボクシングチャンピオンとしての地位を確立した引退したアドニス・クリードは、復帰しアンダーソンと世界戦を戦う…


【感想】
アマプラ会員で無料視聴できると聞いて、ぜひ観てみることにしました。
前評判があまり良くなかったため、劇場に足を運ばなかったのですが…

個人的な見立てとしては、映画『ロッキー』の主人公ロッキーが、刑務所出身の黒人だとしたら…
ロッキーの対影として、アンダーソンこそがクリードの対影になるキャラクター設定なのかなと思いました。
まるでロッキーとしてのシルベスター・スタローンの物語をある程度なぞっているのだろうなあと…

シルベスター・スタローンの参加がない点と、この映画の内容がどこまで連携しているのかが気になったりもしました。
ネット記事など見ると、スタローンはこの映画の脚本が気に食わなくて、一切出演してないとのことでしたが…

主演のマイケル・B・ジョーダンが監督も務めていることから、シルベスター・スタローンの存在を超えたいという意図が伺えます。
ボクシングと音楽という異なる世界の対比が、設定としてうまく描かれていると感じました。
映画自体は約2時間と、最近の映画に比べてコンパクトにまとまっており、個人的には観やすかったです。
ただ、アンダーソンの描写が悪役に偏りすぎており、深みに欠ける印象を受けました。
アンダーソンの心の葛藤や、どうしてこんなに歪んだ人物になったのかをもっと描いてほしかったです。
あと、観客のいないリングで2人だけのボクシングシーンや、日本の70年代や80年代のボクシング映画に通じるものがありました。
アンダーソンがクリードに勝つための論理的な根拠が不足しているように感じます。
精神的な強さや恨みなどが、もっと丁寧に描かれるべきです。
脚本としては、クリードの勝利が物語を進め、クリードとアンダーソンの関係が解決へ向かう展開が望まれます。そうでないと、観客は物語の意図を理解しにくいかもしれません。
また、マイケル・B・ジョーダンが売れてからの苦労も、この映画の脚本に影響を及ぼしている可能性も考えられます。
終盤の2人の和解のシーンは突然感がありましたが、それでもなんとか物語の締めくくりを図っている印象です。


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