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『御上先生(ドラマシリーズ 3〜5話)』〜その先を考えるーー思考を深める対話の物語

視聴環境:U-NEXT


【内容】
文部科学省の官僚である御上は、私立有名高校の3年生の担任として派遣されるが、そこでは御上自身を含め、様々な問題が持ち上がる。

出演:松坂桃李、吉岡里帆

※多少ネタバレします。

【感想】
この作品は、日本ではあまり見られない「対話」を中心に描いた物語だと感じました。
特に教育指導要領の問題を物語に組み込み、それを正面から捉えて核心に迫っていく姿勢が印象的です。観ている間、常に思考が刺激され続け、深く考えさせられる体験になりました。
この作品は、その先を考えさせられる作りになっていました。
報道について、その先を考える。
日本における言論のあり方を知り、その先を考える。
教育指導要領の問題点を理解し、その先を考える。
アメリカの原爆投下について、その先を考える。
単に「考えさせられる」だけで終わらず、ドラマを通じてさらに思考を深めていく。まるで、解像度がどんどん上がっていくような感覚がありました。
また、物語の構成も見事で、張り巡らされた伏線がある出来事と連動し、意外な形で回収される。
現在放映中のアニメ『チ。』も、中世ヨーロッパを舞台に地動説を巡る物語ですが、哲学的な問いを投げかけてくる点で共通しています。『御上先生』と同様に、時代の転換点における「人間とは何か」「知性とは何か」という根源的なテーマを問い直す作品だと感じました。
さらに、「お金とは何か?」という問いに対して、「信じることの具現化である」という問題提起から議論の先へとどんどん進んでいく。
この作品を作るにあたり綿密な思索と議論が積み重ねられていたことが、強く感じられました。

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