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『医者という病(著:和田秀樹)』〜日本の医療は宗教?医療の裏側に切り込んだ一冊
【内容】
高齢者向けの精神医療に従事する著者が、医師や医療業界のネガティブな内情を開陳した本。
※多少ネタバレします。
【感想】
「日本の医療は宗教です。」
そんな挑戦的なキラーフレーズが飛び交う、非常に攻めた内容の一冊でした。
大学病院の医師なら知っているであろう、製薬会社との癒着や役人の大学への天下りといった問題が、遠慮なく描かれています。
また、患者が薬をもらう際の注意点についても詳しく解説されていました。良い医師を見極めるポイントとして、「薬が合わない場合に適切に変更してくれるか」「副作用について丁寧に説明してくれるか」といった点が挙げられていました。
世界の医療界の常識では、エビデンスのない薬の処方は行われないそうです。日本で広く行われている「正常値主義」に基づく検査も、全世代のデータを基準にしているため、あまり意味がないとの指摘がありました。
さらに、悪玉コレステロールはむしろ下げない方がよいのではないかという意見も。本書によれば、コレステロールを下げる薬を服用すると、動脈硬化のリスクは低減するものの、免疫力が低下し、がんにかかりやすくなるという研究結果もあるとのことです。
また、医療費削減の目的で導入されたメタボリックシンドローム対策が、かえって国全体の医療費を押し上げたという指摘も。日本の集団検診に関しても、その効果が疑問視されているとのことでした。
なお、本書の内容はあくまでも著者の見解であり、最終的な判断でお願いします。
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