質問162:その日の調子、相手のタイプによって自分のテニスを変えるのは良くない?
回答
▶自分のプレーを心がければ、相手のテニスをさせずに済む
①につきまして。
まずはあれこれ考えすぎずに、自分の得意なテニスを出し切れるよう、相手ではなくボールに集中してプレーされることが第一だと思います。
こちらでジャスティン・ブラウンが述べているとおり、自分のプレーを心がければ(ランキング的には格上のラファエル・ナダルにさえ)、相手のテニスをさせずに済む可能性が高まります。
いくらダイジェスト版とはいえ、あのナダルを手玉に取るかのように見えるプレーぶりは、「自分のテニス」を貫いてこその勝利だったのではないでしょうか!
一方、普段どおりのプレーではどうしても通用しそうにない場合は、自分のテニスを変えると言いますか、後述する自分のテニスのバリエーションが、たとえ「サブスタイル」であったとしても持っておくと、対応しやすいと思います。
▶自分の調子は揺らぐ。相手によっても変わる
どんなタイプの対戦相手であっても、まずはなるべく「自分のテニス」を出し切ってプレーすれば、(勝ち負けは別にして)自ずと調子は上向いてきやすくなるものです。
だけど調子は揺らぐもの。
またおっしゃるように、対戦相手のタイプによっても変わるもの。
自分の得意なテニスが出せない、対戦相手のタイプによってはどうしても通用しないというのであれば、変えなければ自滅しますよね。
だけどその変える先のプレースタイルも練習の中で培っておいて「自分のテニス」にしておかないと、実戦ではなかなか武器として使えません。
▶大事な「自分の向き不向き」を知る
今回のような、「我慢して我慢してプレーするテニス」はさすがに不向きでしょうけれども、ほかにメインではなくともサブスタイルとして、「自分のテニス」として持っておく。
持っておけば、それは我慢ではなくなります。
もちろん性格にもよりますけれども、いわゆるシコラーは、我慢しているのではなく、楽しんでやっています。
それが、大事な「自分の向き不向き」を知る基準。
『孫氏』の中にある有名なひとつ「敵を知り、己を知れば、百戦して殆(あや)うからず」という教訓が活かされます。
▶自分のテニスを変えさせられた
今回の敗戦を、ご自身の現状を鑑み惜しむらくは、最初はネットにも出ていたのにロブで抜かれる不利がいくつかあったため、つなぎに徹しすぎたことでしょうか?
つまり、最も危険な「相手に自分のテニスを変えさせられた」のです。
相手にしてみれば、「つないでばっかりだと思ったら、突然ネットへ出てこられた!」という意表外の展開もやりにくかったかもしれません。
またそれ(ネットへも出る)がご自身のテニスであったならば、なおさらです。
▶料理と同じで「工夫」が楽しい
勝負は相手あっての話ですから、 自分だけでどうにかできるわけではない事情が、問題を複雑にしています。
どうしても通用しない場合に備えて「自分のテニス」のサブスタイルもいくつか持っておき、調子や相手によって使い分けられるようになると効果的だし、テニスもより楽しめるかもしれないというご提案。
「自分の料理」みたいなもので、そういうバリエーションの工夫が楽しくなると、パフォーマンスの向上が期待できるかもしれません。
▶結果は後からついてくる
②につきまして。
実力的には互角なのに、試合で一方は順調に勝ち、自分はそうはなりにくいというご質問ですね。
結果は先に出すのではなく、後からついてくるのであり、残すのではなく、残るものとご承知おきただくとよいと思います。
▶「結果はクソだ」と言ったのは誰だ?
「結果はクソだ」と言ったのは、元読売ジャイアンツの背番号18番、桑田真澄投手でした。
あれだけ結果を出している桑田投手が結果を出し得た理由は、「結果はクソだ」、だったからかもしれません。
実際、結果なんて未来についてはどうなるか分からないのだから、目の前の1球1球に集中する作業のほうがよほど大切。
そうしていると、「いつの間にか勝っていた」というのが、結果が残るプロセスを言い得ているように思います(関連記事「『成功しかない』必ず結果が出る方法!」)。
「いつの間にか勝っていた」具体例がこちら。
アンパイアに勝利を告げられたにも関わらず、ロジャー・フェデラーは錦織圭に勝った「結果」に気づいていません。
https://youtu.be/njvK_EII2GI
▶甲子園を制したのは「ほぼ中学生」
それにしても桑田投手といえば、高校時代が思い起こされます。
誕生日は4月1日で最後の早生まれ。
1日(数時間)遅い4月2日生まれだったとしたら、学年はひとつ下でした。
つまりPL学園時代、高1の夏に甲子園を制したのが、ほぼ中学3年生寄り(15歳と4か月)だったと顧みれば、「上達の2軸」を達成した偉業だったと感動がよみがえります(関連記事「上達は、速さと高さの『掛け算』」)。
https://www.youtube.com/watch?v=W1SShoeNHX0
▶フレッシュな状態のメリット
③につきまして。
それぞれ一長一短あると思います。
違う曜日にすれば、2コマ目は心も体もフレッシュな状態で練習に臨めるので、気持ちよくプレーできる可能性が高い。
心身ともに疲労がないので、高いレベルのプレーができると、そのぶん脳と体に、プラスの体験を刻みつけることができると思われます(もちろん上達するにはあえて言わばマイナスの体験、つまり自分がミスしたボールへの集中も必要ですが)。
▶しんどい状態のメリット
一方で同じ日にまとめて2コマにすれば、長時間に渡る集中力と体力を養成できます。
しんどくなってきたときに、いかにいつもどおりのプレーができるか。
つまりミスヒットしたときでも、いかに自分が打ったボールにも集中し続けられるか。
こういう負荷の高い状態を経験しておくことで、心身ともに粘り強さが培われます。
▶手抜きを脳は記憶する
だけど疲れてきて手を抜いたら、意味はありません。
「手抜きを脳は記憶する」ので、一度やればパターン化が始まり、癖になってしまうのです(関連記事「『身口意』は1回やるとパターン化が始まる」)。
「こういうときに、こういうところで、手を抜く自分」という体験を脳は学習し、それがセルフイメージを更新していく。
▶セルフイメージはいくらでも「望ましく更新」できる!
もちろん逆も言え、「こういう時に、こういうところで、手を抜かない自分」というセルフイメージを更新することは、いつでもいくらでもできるということも言えます。
繰り返しになりますが、一度やれば「望ましいパターン化」も始まるからです。
そのためには、1球1球集中するという根本の話になってしまいますが、そのあたりが肝要かと思います。
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