見出し画像

質問159:トップスピン掛かってないけど、前よりコートに入ってるよ

はじめまして(^O^)
高校一年生です。
高校からテニスを始めました。
 
最近友人から、
「トップスピン掛かってないけど、前よりコートに入ってるよ」
と言われたのですが、よくよく考えてみるとその通りでした。
 
多分スウィングのフォームを少し変えたのでトップスピンが掛かりにくくなったんだと思います。
試合が近いのでまたトップスピン系に戻すかこのままにするか迷ってます。
自分としては経験が浅いのでどちらが良いかわかりません(>_<)
 
このままの方が良いと思いますか?
お願いしますm(_ _)m

回答


▶テニスで勝つための「原理原則」は?

 
はじめまして。
 
可能性が無限に広がっている年代ですね!
 
どうぞ、生涯に渡るテニスライフをお楽しみください。
 
さて、ご質問について回答させていただきます。
 
テニスは、トップスピンをたくさんかけたほうが勝てるスポーツではありません。
 
勝つ原理原則は非常にシンプルで、1球でも多く相手コートへボールを返すことができれば勝つスポーツです
 
そうであるにも関わらず、スピンをかけることに意識が向くと、ボールがかえって「返らなくなる」のです。
 
不自然にボールをこすり上げようとしたり、ラケット面をかぶせようとしたり、ラケットヘッドの出方を遅らせるグリップ先行を意識してみたり、ワイパースイングが必要と思ってみたりと、「1球でも多く返せばいいだけ」のシンプルな原理原則から逸脱しかねないからです。
 

▶調子が上向く「メカニズム」

 
今は、トップスピンをかけることに意識を向けなくて構わないと思います。
 
いえ、向けていないから、ご友人より客観的に指摘されたとおり、「トップスピン掛かってないけど、前よりコートに入ってる」のだと思います。
 
といいますか、回転をかけることに意識が向かなくなったぶん、必然的にボールへの集中度が上がったというのが、調子が上向いた実際的なメカニズムでしょう。

▶素直に当てるだけのフラット

 
ラケットを下から上へ振り上げてスピンをかけたほうがショットが安定するという世間一般的な言い分は、嘘ではないとしても、技術的には難易度が上がる打ち方に挑戦するせいで、かえって不安定になるケースも少なくありません。
 
ショットを安定させようとしてスピンを信仰するのだけれど、かえって安定性を著しく欠いているプレーヤーは、周りに少なくないと思います
 
ボールに対してラケットを素直に当てにいく、比較的易しいフラット系でもコートに収まるから、1球でも多く返せる可能性は高まります
 
そのための条件は、「打球タイミングを合わせて打つ」です。

▶デルポトロのフラットフォアが入る理由

 
フラットだと、「強く打つと飛びすぎてバックアウトしてしまう」というよくありがちな懸念は、杞憂でしょう。
 
強く打って飛びすぎるならば、2009年全米オープンテニス男子シングルス覇者であり、約2メートルの上背がある大男、ファン・マルティン・デルポトロのフラットフォアが、ことごとくコートへ突き刺さった理由が説明できません

https://www.youtube.com/watch?v=ApiUw6YEqr8

そのフォアハンドストロークは、錦織圭がベスト3に挙げたうちのベストなのだといいます(ちなみに、2位はラファエル・ナダル。3位はフェルナンド・ゴンザレス「※ゴンレス」の表記もある)。
 
いえデルポトロを引き合いに出すまでもなく、論より証拠、ご自身が「トップスピン掛かってないけど、前よりコートに入ってる」のですからね。

▶「実用性重視」でいきましょう!


もちろん、トップスピンが不要と言っているわけではありませんよ。
 
ただしテニスゼロは「実用性重視」。
 
試合が近いのであればなおさら、安定性に優れていて、1球でも多く相手コートへ返せる可能性が高い今のままでよいと「自己肯定」されてはいがでしょうか。
 

▶「向き不向き」はある


トップスピンの習得にチャレンジするのは、試合が終わってから、また機会を改めてはいかがでしょうか。
 
あるいはフラット系をさらに磨いて、デルポトロに一歩でも二歩でも肉薄する!
 
「向き不向き」はありますからね
 
ライジングショットを武器とした伊達公子さんが、当日のライバルであったガブリエラ・サバティーニよろしくグリグリのスピン系に憧れていたら、自己最高となるシングルスランキング世界4位の高みへ到達できたでしょうか?
 
勝てないのは、努力が足りないからじゃない
 
「自分向き」を見つけてそれを「自分の強み」とするのです
 
ご活躍を祈念します。

即効テニス上達のコツ TENNIS ZERO
(テニスゼロ)
https://note.com/tenniszero

無料メール相談、お問合せ、ご意見、お悩み等は
こちらまで
tenniszero.note@gmail.com


いいなと思ったら応援しよう!

即効テニス上達のコツ TENNIS ZERO(テニスゼロ)
スポーツ教育にはびこる「フォーム指導」のあり方を是正し、「イメージ」と「集中力」を以ってドラマチックな上達を図る情報提供。従来のウェブ版を改め、最新の研究成果を大幅に加筆した「note版アップデートエディション」です 。https://twitter.com/tenniszero