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質問137:バックハンド、スマッシュ、ボレーが苦手

テニス上達メモとても参考にさせていただいています。
僕はバックハンドとスマッシュが苦手です。
バックハンドは打ちそこないが多く浅くなってしまいます。ボレーも同じで面にしっかり当てれません、特に高めのボールをボレーするとアウトするか逆にチャンスボールを相手に与えてしまい、試合の時はネットに出るのが億劫になってしまいます。
何か解決策、練習方法はあるでしょうか?

回答


▶ショットを分け隔てない

 
たとえば「風船」をラケットで打ち合うような遊びならば、バックハンドであろうとスマッシュであろうとボレーであろうと、打ち損じはほとんどないと思います。
 
なのに「バックは」「スマッシュは」「ボレーは」とショットを分け隔てる(このショットはこう打つなどと意識する)と、混乱を招く原因になりかねません
 
「ただ打つ」のです。
 
「風船のように」とまではいかないまでも、「ボールをゆっくりと」「はっきりと」「余裕を持って」「落ち着いて」見られるボールの見方をするほうが、各ショットについて考えるよりも、抱えている問題を解決する根本治療となり得ます。
 
ただしスマッシュに関しては毛色が違うのですが、やっぱり同じ(?)という話は後述します。
 

▶簡単にできることを簡単にする

 
振り返ってみてほしいのは、風船を打ち返すときにも、「右足を踏み込む」「体の回転を使って打つ」「左手でバランスを取る」などと、フォームを意識するかどうかというと、きっとしませんよね。
 
「高めのボールだからどうしよう」という意識もないはずです。
 
それと同じなのです。
 
簡単にできることを簡単にする、ただそれだけです
 

▶テニスを難しくしているのは「自分」

 
なのに、もっとサイズが小さく、動きの速いテニスボールに対応しようというのに、「右足を踏み込む」「体の回転を使って打つ」「左手でバランスを取る」などと意識しながら打とうとしたら、余計に難しくなるということは、ご想像いただけるでしょうか?
 
上手くいかないショットほど、いろいろ考えがちですけれども、逆で、意識するから上手くいかない顛倒なのです。
 
「努力逆転の法則」で、ひっくり返るようになっています。
 
意識することをなるべく減らす(何も意識しない)のが、テニスを上手にプレーするためのポイントです。
 

▶動くというより「動かされる」

 
次にテニスをされる時には、現時点で気になっているバックハンドもスマッシュもボレーも、「苦手」とも思わず、「強く打とう」あるいは「安全に返そう」とも意識せず、結果も気にせず、もちろんフォームなど一切考えずに、ただ淡々と打ち返す平常心でプレーしてみてください。
 
先述した「ただ打つ」です。
 
そうして自分の意志ではなく、ボールに身を委ねた体による自動的な反応に任せて、動いてみてください
 
「動く」というより、集中力を向けたボールに「動かされる」といったニュアンスのほうが近いかもしれません。
 
何か違う感覚が出てきたら、しめたものです。
 

▶スマッシュは「毛色が違う」

 
ただしスマッシュだけは、ほかのショットと毛色が違います(だけどやっぱり同じという話)。
 
ほかのショットは、ボールが右に飛んで来たら自分も右へ、左に飛んで来たら自分も左へ反応します。
 
しかしスマッシュに限っては、ボールが上へ行ったからといって、自分も上へジャンプするわけではありません
 
ボールの落下弾道が浅くなりそうなら前へ、深くなりそうなら後ろへ、動きます。
 
ロブは上へ向かってあがるのですけれども、自分はおもに前か後ろに向かって動くのです。
 

▶難易度を「一気に下げる」方法

 
当たり前のような話なのですけれども、「現実に対するイメージのズレ」を持っているプレーヤーが少なくありません。

イメージのズレがあると、どんなにボールに集中しても、打球タイミングは合わないのです。

こちらでは「空間認知」と「打球タイミング」は掛け算と述べましたが、これはそっくり「イメージ」と「集中力」は掛け算と言い換えられます。

スマッシュは伸び上がって高い位置で打つイメージを改め、肩口付近でボール投げでもするようなイメージの動作で打つと、難易度は一気に下がります
 
サーブもそうですが、打点の場所を少し下げたからといって、入る確率が下がったり、威力が落ちたりするわけではないのです。
 
ただしボール投げのようなフォームを意識して打ちましょうと、言っているのではありません。
 
また打点は低くしましょうと、場所を規定しているわけでもありません。
 
肝心なのは、打点の場所ではなく、「打時(いつ打つかのタイミング)」だからです。 

▶「現実に対するイメージのズレ」問題


タイミングさえ合えばスマッシュは、高い位置だけではなく、低い位置でも打っていい。
 
「現実に対するイメージのズレ」をなくすための取り組みです。

高く上がったロビングに向かって上へ向かうのではなく、落ちてくる弾道に対して前後に動くための実践です。
 
前後に動いて落下弾道に入りさえすれば、スマッシュは、低い位置でも打っていい。
 
原理原則として、高く上がったロビングに向かって飛び上がり、追いかけようとしなくてもボールは、自分に向かって、待っていれば落ちてきて(近づいてきて)くれます
 

▶ボールは「近づいて来る」が原理原則


スマッシュは毛色が違うと述べましたが、実はストロークでも起こり得る問題
 
ボールが逃げていくイメージを持っているプレーヤーは少なくありません。
 
そのため、相手に打たれた直後のボールは自分から見て随分「前方」にあるから、前に向かって走り出そうとしてしまうのです。
 
そのせいで、ボールに突っ込みすぎて、打球タイミングが合いません。
 
ですが、原理原則は先述したとおり。
 
ボールは待っていれば、近づいて来てくれます
 
ですから、あまり動かないにも関わらず、優雅にボールに追いつく印象。

イメージのズレがあると、慌ただしくドタバタ動くわりに、打球タイミングがどうしても合わなくなるのです。

ボールは待っていれば、近づいて来てくれます

ですから冒頭でお伝えしたとおり、ショットを分け隔てる必要はないのです。

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