テニス上達メモ143.テニスは「右脳」でプレーすると上手くいく!
▶言葉が思考を刺激する
テニスの指導というのは、言葉を使わないほど上手くいきます(関連記事「『指導しない指導』が、最大級の効果を発揮する」)。
なのでテニスの上達法を言葉で説明しているテニスゼロは矛盾しているのですけれども……、それはさておき、「言葉」。
先ほどの「言葉を使わないほど上手くいく」とお伝えした言葉をお読みいただいて、ご自身の中で何が起こったでしょうか?
「そんなことはない!」「ふーん、そんなもんかなぁ?」などと、恐らく言葉による考え事が生じたと思うのですね。
つまり言葉は「思考」を刺激するから、トレードオフの相関である「感覚」によるプレーができなくなります(関連記事「「『馬鹿になれ!』」)。
つまりボールの回転が見えにくくなったり、インパクト音が聴こえなくなったり、打球感を感じにくくなったりします。
▶思考は続くよ、どこまでも
また思考はずっと連鎖し続けます。
ですからプレー中、「上手く打つにはどうすれはいいんだ?」という言葉による思考をきっかけに、「振り遅れてしまう」「打点が近すぎるからもっと遠ざかろう」「遠ざかるには回り込んで……」などと、ずっとずっと、ずっーと考え続けてしまいます。
すると、ボールに対する「感受性」は低くなる。
そして、ボールに対する「集中力」も弱くなる。
▶思考のせいで「鈍くなっている」
一般的には「自分で考えることが大事!」などと言って、思考があたかも有能の証であるように奉りがちかもしれませんけれども、考えるその裏で私たちは、非常に「鈍くなっている」。
そのせいで、フィジカル的には十分追いつくはずの浅いボールが捕れなかったり、今、出られそうなはずだったポーチを見逃したりしてしまうのです。
それらは、頭の中で言葉を使って何か思考しているせいで、「鈍くなっている」からです。
▶ボールがすぐ手元に飛んでくるという錯覚
いえ、厳密に言えば、「言葉にならない断片的な思考」も含まれます。
ボールを1秒見ている間に、テイクバックについてぼんやり0.9秒気になっている。
するとボールはわずか0.1秒しか見えていません。
ですから相手に打たれた瞬間には、ボールが手元へ飛んで来るような錯覚をします。
同じ理屈でそのほかにも、ラリーが10秒続いているうちに「足の踏み込み方」や、「打点の取り方」などが9秒気になるから、ボールは視界には入っていてぼんやり眺めることはできたとしても、たった1秒しか見えていない計算になる(関連記事「視界に映る『すべて』を見るわけではない」)。
ですからラリーが自分のミスですぐに途切れてしまう。
ゲームがあっという間に終わってしまった、というふうに感じられます。
その原因は、リアルなボールに集中せず、頭の中のバーチャルな思考に現実が乗っ取られるため、「実感」が伴わないからです。
▶ジュニアが「速く・高く」上達する理由
ちなみにジュニアプレーヤーがすぐに上達する理由は、文脈に即して言えば、いい意味で「考える力がない」からです(関連記事「テニス人生のトレーダー分岐点で『大どんでん返し』」)。
「どうすればいいんだ?」「なぜ上手くいかないんだ?」などと思考するのは、言い方を変えれば「混乱」している状態です。
ジュニアプレーヤーはこの「混乱」がない天真爛漫だから、すぐに、しかも高く「上達の2軸」を達成します。
そのやり方を同じようにやれば、フィジカルの衰えはあるにせよ、大人も速く・高く上達します(関連記事「大人が『ジュニア選手』のように上手くなるには?」)。
多くは、常識的なテニス指導で伝えられているフォームについて、プレー中に頭で考えるのをやめるのです。
先ほど、考えることは「有能」と奉られやすいと述べましたけれども、むしろ「無駄に考えずにいられる能力」は、混乱のない落ち着いた人間性として捉えることもできそうです。
▶感覚的に伝える指導の工夫
あるいは言葉を使わないとしても、感覚的に伝える指導の工夫はできます。
そうすれば思考を刺激しません。
たとえば私が以前「長嶋式」と形容していた例(関連記事「見た目にとらわれない指導の具体例」)。
「カンピュータ」などと言うと、どちらかというとおかしみを誘うようなニュアンスかもしれませんけれども、実際に指導を受けた選手たちは上記リンクが説明するとおり、スランプから脱出したというから効果があった。
つまり「本当に効果のある上達法」と言えます。
テニスに限らず、間違いのない上達法は下記のとおり。
どれだけ「体にいい」と説明される食品があったとしても、食べてみて実際に健康になったか、否か。
どれだけ「自己肯定感が上がる」と説明される方法があったとしても、実際に取り組んでみて幸せになったか、否か、です。
▶インプレー中「言葉は使わない」というご提案
インプレー中は、頭の中で言葉は使わないというご提案。
言葉を使うのは、セルフジャッジでカウントをコールするときに限られます。
否、本当はカウントさえ気にせずプレーできたら最高なのだから、現状では人員調達の都合もあり難しいのでしょうけれども、ジャッジはアンパイアに任せられるのがいちばんです(関連記事「試合になると『スコア』が気になる?」
▶テニスは「右脳」でプレーすると上手くいく!
言葉は使わない。
言い換えれば、テニスは「右脳」でプレーすると上手くいくのです。
『究極のテニス上達法』を紐解くと、次の説明があります。
つまり頭の中で言葉を使うと、左脳が刺激されて、右脳による感覚的なテニスをする邪魔になってしまいかねません。
もちろん「絶対に考えてはいけない」 などと、言いたいわけではありません。
それによって「感じる力」がスポイルされるのが、プレー上の問題になる。
それによって考える必要のあるシーンでも、雑念が癖になっているから正しく考える(正思惟=しょうしゆい)ができなくなって、ひらめきが得られないのです。
ご注意ください!
即効テニス上達のコツ TENNIS ZERO
(テニスゼロ)
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