弘法山お散歩日記②
さて、前回のハイキング記録の続きです…。
前回はこちらから↓↓
あっという間に次の山へ(浅間山→権現山)
富士山の余韻と、急な斜面を登り終えた安堵感に
包まれながら歩みを進める。なだらかな斜面を
のんびり登っていくと、程なくして展望台が目の前に現れた。
ここで元々お昼ご飯を食べようと思っていたのだが、正直思ったよりも早く着いていささか拍子抜けした。
おにぎり、少し我慢してここで食べてもよかったのでは…という思いがちらりと頭をかすめたが、
握りたての美味しさには、絶景も叶うまいと
気を取り直して展望台を登る。
周りにもくっきり山が見えて、どれがどの山、
という写真解説が掲示されているけれども、正直
あまり判別できない。できても初めて聞く山の名前なので「あぁ、そうなんですか…」というくらいの
感想しか出てこない。
山登りをしたことのある人ならきっと、「あの山登ったな、楽しかったなぁ」とか、違う感想が出てくるのかなぁと思った。
みんな一人ひとり、見えている景色も、認識して
いる景色・もの・人だって、たとえ気心のいくら
知れている人同士で同じものについて話していても、きっと全く違うものに見えているのだろうなと思うと、面白いような寂しいような心地がした。
ベンチに座り、お昼ごはんの続きを食す。
出てきたポケモンシールのキャラクターは全く知らない子だったけれども、なんだか気に入ったので
スマホの裏側に張り付けた。
デコキャラシール集めに手を出してみてもいいかもしれない。
ヤマビルにご注意(権現山→弘法山)
さて、権現山から弘法山までは約800m。
石の階段を下ると、あとは綺麗に整備された道が
続くので、本当にお散歩気分で歩ける。
小春日和だったので寒い思いもすることなくかなり快適だった。おっ、もしかして私余裕じゃない…?と調子に乗って歩いていると、道途中に「山ビルに注意!」という看板があって、改めてここは山なんだと少し気を引き締めた。
ヒル、と聞くと高野聖の、上から一斉にヒルが落ちてくる一面を思い出して不気味さで身の毛がよだつ。グーグルで調べると山ビルの活動期は4~10月だったので、ひとまず安心して先に進んだ。
階段状の道を進むと、弘法山に到着した。
ここでも景色が一望できる。
本当に地理感覚が皆目ないのだけれど、「もしかして、あの青いのって海…?!ということは、あの浮かんでいる島っぽいのは江ノ島…?」と少し見当がつくとその思い付きに少し自分ではしゃいだ。
本当にささやか過ぎる発見だけれども、
そういうことが、自分にできることが増えていく
感覚がして嬉しい…。
山道を踏みしめながら考え事(弘法山~吾妻山)
弘法山には小さなお堂があったので、なむなむと
拝んでから吾妻山を目指した。お堂の前のベンチでは、キャンプ用グッズでお鍋をぐつぐつやりながら、酒盛りをしているおじいさんや、団体で男女仲良くきゃっきゃしながら集合写真を撮る人達で
ちょっとした賑わいを見せていた。
いつも思うけれども、高尾山でもこういう山でも、ここでお酒を飲んだ後、帰るのって面倒くさくないのかな…。
私はお酒を飲んだら、もう一刻も早く家に帰って、服を脱ぎ捨ててベッドに倒れ込みたいタイプ。
帰り道に余韻を楽しむ、大人の余裕が足りないのだろうか…。
吾妻山まではぜーはーすることもない緩やかな山道のアップダウンを40分程てくてく進んだ。
アスファルトに慣れた足の裏は、土の上を歩くと
そのいつもより柔らかな感覚が新鮮で、気持ちよくて楽しかった。
山道から少し離れたところでは丁度伐採をしている途中で、歩いていると木々の香りがとてもよく感じられた。
風もないのに、近くの茂みから「がさがさっ」とふいに音がしてどっきりする。姿が見えないけれども明らかに何かがそこにいるのだ。
ハクビシンかもしれないし、ウサギかも。狸かも
しれないし、ポケモンだったらどうしよう。
シュレディンガーのポケモンとか、わけのわからない思い付きを、一人で頭の中で思い浮かべながら先に進む。
こんなくだらないこと、人にいちいち話をすることはないけれども、もし話して、それをそのまま面白がってくれる人がいたら仲良くなりたいなと思った。
葉っぱの上を滑る(吾妻山~鶴巻温泉)
正直どこが吾妻山なのかよくわからなかったが、
道しるべが次は鶴巻温泉を指示していたので、
多分登れたんだと思う。
そのまま鶴巻温泉駅を目指してもよいのだけれど、折角なので、山肌沿いを歩いて下る野仏の道を
通って鶴巻温泉を目指すことにした。
それがわりかし大変だった。
これまでは土の上を歩けたけれども、この斜面は道全体を枯れ葉が一面に覆っている。道が見えない。見えないからどこを歩けばいいのかわかりにくいし、何より枯れ葉ってこんなに滑りやすいのか…!
「ぎゃんっ」とか「ひゃぁぁ」とか奇声を控えめに上げながら、ほぼほぼ滑り降りる形で山道を下った。
下ると、急に視界が開けて畑や住宅が現れた。
そこを進むと一般道に出て、あっけなくハイキングは終了した。
終わりは「ここで終わりですよ!」と明確なものがなく、なんとなく「あれ?もしかしてこれで終わった感じかな」というじわじわと実感していく方式の終わり方だった。
住宅街に出てからもしばらくは道しるべが出ていたが、途中で途切れたので微妙に迷いつつ、グーグル先生の力をお借りして鶴巻温泉を目指す。高速道路のガード下をくぐり、温泉施設を目の当たりにすると達成感がようやく沸いてほっとした。
弘法の湯については特筆すべきことは特になし。
加水なし・加温・循環ありのカルシウム多めのお湯で、結構すぐ体が温まって、出た後も湯冷めしなかった。公共施設だったので、衛生面はしっかりしているなぁと思った。
山散歩を終えて
楽しかった。
運動は大嫌い。アウトドアなんて興味なし。
だった自分にも思ってもみなかった変化で正直
驚いている。
誰かの影響といえばそれは否定できないけれど、
これまでは誰かに誘われても全く興味なし、「わぁ楽しみ…」と言いながらも嫌々付き合って一週間前から憂鬱…を繰り返していた私が自ら計画して行くなんて、奇跡的である。
やっぱり影響というのも「誰から」なのか、あとはそれが発生するタイミングもかなり重要だと思う。
次もまたどこか出かけたい。
その前に、トレッキングシューズを手に入れることを検討してもよいと思う今日この頃である。