『さよならのつづき』で感じたデジャヴと心臓が紡ぐ愛と記憶は不倫か問題。
ツッコミどころ満載で違和感も感じたが、ついつい最後まで見てしまって、楽しかった！
いやぁ、先日の日曜に妻が一気見していて、最初はチラ見してたのですが、色々と展開が気になって、結局最後まで私も観てしまいました。
ある意味、このドラマは妻と一緒に見たからこそ、色々とツッコミながら楽しめたのかもしれません 笑
Voicyでも話しましたので是非お聴きください♪
NETFLIXオリジナルドラマ『さよならのつづき』は、ハワイの青い空と北海道の白銀の世界を舞台に、「心臓移植によって紡がれる愛の記憶」という切なくもロマンティックなテーマを描いた作品です。
このテーマ、実は韓国ドラマやアメリカ映画で何度も取り上げられてきた“鉄板設定”。
でも、本作はその既視感を逆手に取った日本的な情緒と、美しい映像、豪華キャストの演技で、しっかりと魅了してくれます。
もちろん、ツッコミどころやモヤっと感も満載。
それでも「絶対に見てほしい！」と思える理由を
ネタバレなしでお伝えします。
あらすじ：心臓が呼び寄せる奇跡と愛の葛藤
有村架純演じる冴子は、恋人・雄介（生田斗真）を事故で失い、悲しみに暮れています。
一方、坂口健太郎演じる成瀬和正は、重い心臓病により、雄介の心臓を移植されて一命を取り留めます。
問題はここから。
移植を受けた成瀬には妻・美樹（中村ゆり）がいます。
にもかかわらず、成瀬は移植された心臓が持つ「記憶」に導かれるように、冴子に惹かれていくのです。
「理性より心臓は強し」
「理性より記憶は強し」
「理性より本能は強し」
つくづくそう感じさせられます。
そして冴子もまた、雄介の面影を感じる成瀬に次第に惹かれていきます。
心臓移植がもたらす愛の奇跡と、それによって生じる複雑な感情の三角関係が描かれていきます。
韓国ドラマや映画の“あるある”を楽しむ
まず、「心臓移植で記憶が宿る」という設定にピンと来た方。
そうです、この設定、実は映画やドラマでよく見る「あるある」テーマです。
臓器移植を受けた患者が、臓器提供者であるドナーの記憶や性格が乗り移るといわれるセルラーメモリー現象というらしいですが、科学的には仮説の域を超えていません。
でも、もしかしたら？ というロマンティックな可能性を感じてしまいますよね。そこが映画やドラマのモチーフとしては魅力的。
たとえば、韓国ドラマ『私の人生の春の日』では、亡き恋人の心臓を移植された女性と元彼が惹かれ合う展開が描かれています。
同じく、韓国ドラマ『ドキドキ My Love』は、死別した元彼の心臓を持つ男性と惹かれ合うという『さよならのつづき』と同じ設定をユーモアたっぷりに描いたラブコメディです。
また、アメリカ映画『ハートレス』では、他人の心臓を移植されたことによって、提供者の記憶までもが自分に乗り移ってしまった女性のサイコ・サスペンスがあります。
こうした作品と比較すると、『さよならのつづき』は特に「日本的な情緒」を大切にしている点が特徴です。
雄介の残した想いが、成瀬と冴子の間に現実的な距離感と感情の葛藤を生む点に、日本ドラマならではの繊細さを感じます。
ツッコミどころ満載だけど癖になる
正直、心臓移植で記憶が宿るって、科学的にはあり得ないとされている設定。
でも、それを全力で描き切るからこそ面白いんです！
例えば、成瀬が冴子に出会った瞬間に「なんかこの人懐かしい…」と呟くシーン。いやいや、それ心臓が喋ってるの！？ とツッコミたくなります。
また、冴子が無意識に雄介が好きだったブラックコーヒーを淹れるシーンでは、「お約束来た！」と笑ってしまう。
こうした「フィクションらしい王道展開」が逆に心地よい。
既視感を覚えつつも「またこの展開かよ！」とツッコみながら楽しめるのが醍醐味です。
映像美にうっとり、心を癒やされる
このドラマの大きな見どころは、何といっても映像美です。
ハワイや北海道の美しい風景が、物語をさらに引き立てます。
冴子と雄介の思い出が蘇るハワイの美しい夕陽や、成瀬が自分を見つめ直す北海道の広大な雪原。
これらの風景はぜひ大画面で楽しんでください！
スマホで見るのはもったいないレベルの爽快感があります。
映像だけでも「観てよかった！」と思わせるクオリティです。
しかも、そんな美しい情景の中で繰り広げられる「記憶が宿る心臓」という不思議なテーマが、さらに作品をロマンティックに仕上げています。
でも、ちょっとモヤっとする？
不倫的側面がもたらす複雑さ
物語が進むにつれて、視聴者として共感が難しい点が浮き彫りになります。
それは成瀬の妻・美樹の存在です。
美樹は夫の病気に寄り添い、移植手術後も支え続ける健気な女性。
しかし、成瀬と冴子が互いに惹かれていく展開は、美樹の存在を軽視しているように見えてしまうのです。
ネット上でも、「不倫じゃないか」といった声や、「心臓は雄介のものだから不倫とは違う」という擁護が飛び交っていますが、いずれにせよこの展開にすっきりしない感情を抱く人は多いでしょう。
心臓の記憶が引き起こした感情と考えれば、一概に不倫とは言い切れないのだろうか……
いや、私の妻はバッサリ「これはアウトです」と言い放ってました 笑
特に冴子が「成瀬さん自身のことも好きになっているかも」と言う場面は、雄介の記憶だけでなく成瀬本人にも惹かれていることを示唆しています。
物語は「心臓の記憶が紡ぐ愛」というロマンティックな要素と、「結婚相手を裏切るかもしれない」という倫理的葛藤を交差させながら進んでいきます。
この複雑な感情が物語の深みを生む一方で、繊細に描写されているとは言い難い部分もあり、視聴者の中には「美樹があまりに可哀想だ」と感じる人もいるはずです。
演じたのは中村ゆり。見るからに幸薄い感じが溢れてる😭今までもそんな役柄が多いイメージが……ごめんなさい。
そんな彼女を置き去りにするような形で成瀬が冴子と惹かれ合うのは、「それでいいのか？」と疑問が浮かぶ人もいるかもしれません。
ここが、物語の中で少し腹落ちしづらい部分ではあります。
不完全さも含めて楽しんでほしい
物語の終盤、「これが正解だったのだろうか」と考えさせられる展開があります。
しかし、それでも『さよならのつづき』は、人間の複雑な感情や記憶がもたらす運命の不思議さを描ききった作品と言えます。
私は後半、妻の美樹の不幸感に満ちた感情の落としどころどうするんだろうな？ と気にかかって先の展開をあれこれ予想していました。
私は、やっぱりあの展開にするしかないかと予測したら思った通りのビンゴでした 笑
キャストの演技がすべてを包み込む
そんなモヤっと感を抱えながらも、最後まで引き込まれるのは、キャスト陣の熱演のおかげです。
有村架純は悲しみを抱えつつも新たな感情に揺れる冴子を見事に演じ、坂口健太郎は心臓の記憶に翻弄されながらも、成瀬自身の感情を丁寧に表現。
生田斗真は、回想シーンながらも雄介という存在の大きさを視聴者にしっかりと焼き付けます。
そして中村ゆりが演じる美樹は、愛する人を守ろうとする健気な姿が胸を打ちます。
デジャヴが生む新たな感動
『さよならのつづき』は、「心臓移植×記憶」というテーマを何度も描かれてきた焼き直し的な設定ながら、視覚的な美しさや感情の描写で新たな魅力を生み出しています。
ツッコミどころも含めて楽しめるエンターテインメント性に加え、情景美が心を癒やしてくれる作品です。
韓国ドラマやアメリカ映画の同系統の作品が好きな方はもちろん、そんな設定に馴染みがない方でも、感動的なラブストーリーを堪能できます。
ぜひ、心を動かす愛と記憶の物語を、ハワイと北海道の壮大な自然とともに楽しんでみてください。
まとめ：モヤっと感も含めて観る価値がある
『さよならのつづき』は、完璧に気持ち良く終わる作品ではありません。
ですが、それこそがこのドラマの魅力でもあります。
心臓移植という現実的にはあり得ない設定をベースに、愛と倫理観の間で揺れる人間模様を描き、視聴者に問いを投げかける。
この問いに正解はありませんが、だからこそ観る価値があるのです。
美しい映像美と豪華キャストの演技、そして視聴者に思考を促す複雑な物語。ぜひ、大きな画面でその世界観を堪能してみてください。
そして最後に、自分ならこの物語の登場人物たちにどんな未来を望むか、心の中で答えを出してみてはいかがでしょうか。
果たして倫理的にどうなのかは、ぜひ観て、あなたなりの答えを見つけてください！
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