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バイクを通じて大人に成長する小説「天空のストラーダ」。バイクと人との触れ合いをユーモアに、時には激走シーンをリアルに描いた全二十二章。小説を原作に漫画化中。その漫画ダイジェスト版と小説のベースとなった「裏」ストーリーの掲載をはじめました。http://tekustrada.jp/
現在好評発売中の書籍・「天空のストラーダ」の裏本です。http://tekustrada.jp/
天空のストラーダ・ホームページ上の4コマ漫画です(月二回更新)。http://tekustrada.jp/
じつは、その、小説「天空のストラーダ」が映画俳優・舘ひろしさんからお褒めの言葉を頂戴しました。まこと身に余る光栄! 正直、たじろっております。感謝しかないです。
書籍 天空のストラーダ第一巻・第二巻が10月30日に全国大型書店及びamazon、通販書店で発売されます。 それに併せて天空のストラーダ THE MOVIE Ver.1 を配信しました。 主人公の倉島弾不在ですが、この場を借りて次作に向けて主人公を募集します。 バイク免許所有者(普通二輪)が望ましいけれど、俳優希望の方なら問いません。 劇団員のかた、俳優希望のかた、よろしかったらご連絡ください。 ご遠慮なくnote上、または、pc@paperclip.co.jpまで
夏の伊豆と言えば、猫のひたいほどしかない海浜のイメージだけど、そのじつは、険しい山々が背伸びする山麓地帯。 ギラギラ太陽が、うとうと沈む頃には、涼しくなってエアコンの出番は少ない。 その機を待ってましたとばかりに、蜩(ヒグラシ)の大合唱がはじまる。夏の風物詩と言えば聞こえは良いが、それが数時間もつづくと愛想も尽きる。 きっとヒグラシ自身も、どうしてここまで一生懸命、それも長時間、鳴かなきゃならないのか疑問だろう。少しはツクツクボウシやミンミンゼミのように、サボって鳴けば
夏のかっこいいバイク乗りとは、その昔から疾風(はやて)のように現れて、疾風のように去って行くのがお作法なんです。 夏のかっこいいバイク乗りとは群れずに、コーナーを読み、お好みの風を作るために走るんです。 夏のバイクなんぞは、りっぱな大人が襟を正して気合いを入れて乗るもんじゃなくて、ましてや太陽ギラギラの海辺の、それもちっぽけな駐車場で、バイク道を語り合うなどはもってのほかです。 それが冗談だったらまだしも、真顔で語り合う姿をついぞ拝見すると、次第に彼らが正気なのかと疑い
昨日のこと。 東京へ打合せに行った。 最後は旧知の同僚と品川で会った。 それも束の間、帰路についた。 新幹線の車内はとんと人けがない。 聖堂や禅堂と変わらない。静謐だ。 今日のあれやこれやを指折り数えていたら、薬指を曲げたところでコキッと大きな音をたててしまった。 それが車内に響いた。 通路を隔てた窓際のお姉さんがゆるりとこっちを向く。 日本髪を結った和服姿。二枚刃の下駄を履き脇に番傘を携えていた。 花柄のマスクは邪魔だけど粋なお姿だ。 男なら静かに昂ぶ
原作・天空のストラーダのPV用がクランクインしました。主人公・倉嶋弾(M1ジャケット)、古本屋店主でバイクの師匠でもある山神さんとの対面シーン。白いポロ着た板橋監督が頑張っています。
都会はマスク姿でしんみり。 寄ってたかって「お久しぶり」と言われたって、 マスク姿じゃだれがだれだかわからない。 あの美人さんも、ちょっとだけ美人さんのあのひとも見分けがつかない。 このままだと男も女もひと目ぼれもできやしない。 これって男と女の粋なんだけど。
梅雨の合間の晴れなんです。 どことなくなんとなく爽やかなんです。 水平に伸びた白い海原と薄雲がひっついて、どっちが海でどっちが雲だかわからないんです。 風小僧が吐息をふきかけ山を乾かしているんです。 潮騒は聞こえないけど小鳥がやたらざわつくんです。 近くで鳴いていたかと思うとだんだん遠ざかり、また近づいて鳴くんです。 それが子守歌に聞こえて寝てしまいそうなんです。 梅雨の晴れ間は穏やかなんです。 #天空のストラーダ
通りすがりの子供ふたりが立ち止まり大股開いて頭を垂れた。 すると股ぐらから顔を覗かせキャキャと大声で笑った。 ひとりが「地球が逆立ち」と言うと、 「地球を持ち上げた」ともうひとりが言った。 ちょいとすねた叔父さんからすると、 田舎の子はじつに可愛いく見えるのだ。 OSABOW #天空のストラーダ
書店様用の販促POPが配布されました。 7月中旬より全国書店様ほか、バイク用品量販店様で目にとまるかと思います。 第一巻・第二巻共々よろしかったら手にとってくださいね。
すぐ目の前の、それもつづら折りの坂を数分下ると渓流があった。 水の音は聞こえていたが、こんなに近くにあるとは思わなかった。 身の丈半分ほどの石がゴロゴロしている。 そこを沢ガニがちょろちょろしている。 その一番大きな石の上で、見知らぬ少年ふたりが釣り糸を流していた。 「こんにちわ」と先に言われたので「やあ、お元気?」と応えた。 ぼくは釣りを嗜めないので、ズックのまま渓流に足を入れ、ひとの頭ほどの石を動かし漁った。 狙いは沢ガニである。 小石を集めて生けすを作り
新コロナ禍の影響で出版が遅れていましたが、書籍・天空のストラーダ(全三巻) 第二巻を7月中旬より全国書店にて発売します。 これも皆様のご支援の賜物と深く御礼申し上げます。 また、文庫本「三軒茶屋小僧物語」の出版を晩夏に予定しています。 小説の舞台は高度成長期、世田谷・三軒茶屋の映画館。小僧三人の愚行・善行が、 きっと笑いと涙を誘うことでしょう。 こちらもよろしくお願い申し上げます。 OSABOW <三軒茶屋小僧物語より一文> 小僧三人がペッタン、ペッタン、
ねずみ色のどんより雲がマントを広げた。 空が沈むと、あって間にどこもかしこも霧だ。 風を受けるウミネコが寒そうだ。 トンビにそそのかされて、 山で迷子になったウミネコ。 ミャー! こっちを見ながら羽毛を膨らませた。 そんなうつろな目をされても困るんだ。 ぼくなんかより野良猫に相談してみたら。 ミャー! OSABOW http://tekustrada.jp/
峠の窓を覗いた。 峠の風小僧がひざを抱えて寂しそう。 きっと、仲良しバイク小僧が来ないからだ。 つむじ風と枯葉で遊んでなと言うと、 枯葉をどっさり置き去りにした。 仕方がないから長箒でサッサと掃除した。 峠の風小僧はバイクじゃなきゃ嫌らしい。 もうちっと我慢となだめた。 OSABOW <書籍購入予約の皆様へ> 書籍・天空のストラーダはAmazonで「一時的在庫切れ」の表示が続いています。新コロナの影響で適宜に搬入してまいりましたが、ご予約を頂いている皆様には
やつらは毛むくじゃらで派手好きだ。 やつらは呼んでもいないのにやってくる。 背丈は30ミリほどで細身だ。 全身くねらせ踊りが好きだ。 せっかちなやつは分速数メートルほどクニャクニャ走る。 呑気なやつは50センチほどクニャクニャ歩く。 マヌケなやつは、そのまま動かず蛹(さなぎ)になろうとする。 もう、そんな季節か。 蝶になるのか、蛾になるのかしらいけれど、蝶になったらまたいらっしゃいな。 蛾はだめだよ、蛾は。 だから蝶になっておくれよ、蝶に。 それがわかっ
夏だよ。 日射しが肌にそう言った。 寝ぼけた青空、早起きな海原、陽気な風。 数羽の野鳥が、山道の端っこの草むらにいる。 顔をださないけど、多分そこにいる。 ホ〜ホケキョ、チュンチュン、ポポポッ。 野鳥の名前はよく知らない。 ポポポッはなんだ。 ポポポッは、まっ、いいか。 そんなに鳴いてばかりいると声枯れちゃうよ。 それでは失礼、ご自由に。 野鳥に誘われ耳をすました。 はしゃぐバイクの音が聞こえない。 いつもの峠にこだましない。 あちらもこちらも、人