さぼっちゃいな
夏の伊豆と言えば、猫のひたいほどしかない海浜のイメージだけど、そのじつは、険しい山々が背伸びする山麓地帯。
ギラギラ太陽が、うとうと沈む頃には、涼しくなってエアコンの出番は少ない。
その機を待ってましたとばかりに、蜩(ヒグラシ)の大合唱がはじまる。夏の風物詩と言えば聞こえは良いが、それが数時間もつづくと愛想も尽きる。
きっとヒグラシ自身も、どうしてここまで一生懸命、それも長時間、鳴かなきゃならないのか疑問だろう。少しはツクツクボウシやミンミンゼミのように、サボって鳴けばよろしいのにと思う。
ヒグラシは真面目なのである。
よって、ぼくのような嘘泣きが得意で、その日暮らしの輩は、ヒグラシの真面目な生き方を見習うべきなのだろう。
そこで一句。
ヒグラシに
その日暮らしは
似合わない
炎夏まっただなか、お疲れさまです。