山羊

最低な部分を愛してくれる 私の飼い主を探して

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    日常を振り返ったり、ふわっと感じた事を書いてます。

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    自己紹介にもなり得る記事を集めました。私が詰まっているので、興味があれば是非読んでいってください。

  • 【詩集】かえる場所

    ありふれたものたちの墓場

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大学3年、初夏。うつと診断される。

 タイトル通りだ。うつと診断された。そして今日はここに、私がうつと診断されるまでの経緯を、赤裸々に綴ろうと思う。自分でも、まさかうつになるなんて想像だにしていなかったのであるから。鬱を抱え今日も必死に生きる人も、鬱とは無縁の生活を送る人も、なんとなく憂鬱、モヤモヤした日々を送る人も、みんなみんな、いらっしゃい。  小生はこの度、鬱(とADHDの傾向)を診断された大学3年生だ。  始める前に、これは私個人の回顧録であり単なる独白にすぎず、他の誰一人傷つける意図も、後悔させる意図

    • しんどい ごめんなさい だめかもしれない

      • グリフィスの傷

        「死なないで」って、どうか、簡単に言わないで。口に出せずに、手首を摩った。薄いみみず腫れが、淡く存在を主張する。私はどこで、何を間違えたのだろうか。 Morning routine カーテンの隙間から陽が差す。 ヴァンパイアが朝日を浴びて灰になる感覚は、きっとこういうものなのだろう。額がジリジリと熱を持つ。ああ、焼け死んでしまいそうだ。なんて、心の中で呟いた。頑なに寝台の上でじっとしていようとも、結局はどうにも逃げられない生温かさに、のそのそと半身を起こす。今日も寝不足の

        • 理非

          『正しい』ことから外れる それはこわいこと 理非を翳して 篩をかけて 降り落ちて行かずに 残ったものはポイ 男を好きになる 女を好きになる 人を好きになる 判別し 好きになる人 判別せず 好きになる人 判別せず 好きになれぬ自分 結ばれてゆく人々 結ばれぬ人々 自分の足だけで立って歩いてゆく人々 スキップしてゆく人 走り去って行く人 ゆっくり歩いて行く人 立ち止まって振り返る人 眠る人 眠れぬ人 みんな人 それなのに 理非が区別する 理非 道理 お前は誰だ 何者

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        大学3年、初夏。うつと診断される。

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          そんな夜があった

          深夜3時、寝静まる暗闇の街をバイクで駆け抜ける。ハンドルを握る友人の肩に手を乗せ、首が辛くなるほど思い切り顎を上げた。木々が鬱蒼と生い茂る山道に入る。木の葉の影の隙間から、満点の星空が視界いっぱいに広がった。 15:00 粲粲 諸々の手続きを終え、漸くキャンパスを発とうとしていた。七月の日差しが容赦なく瞼の裏まで突き刺してくる。光が粲粲と降り注ぐ。殺意を疑ってしまうほどの日差しのせいで、この季節がいちばん苦手だ。汗が首筋、背中と伝う感覚がいやでも夏を感じさせる。遠くで蝉が叫

          そんな夜があった

          文を書くのは難しい。思いを「伝わってほしい」カタチで届けるのは、難しい。ここのみんなは、それを一生懸命自分なりの魔法で創ってて、おいしくて、ほんとうにすごいなあ。

          文を書くのは難しい。思いを「伝わってほしい」カタチで届けるのは、難しい。ここのみんなは、それを一生懸命自分なりの魔法で創ってて、おいしくて、ほんとうにすごいなあ。

          煙草と追悼

           大好きだった、シゲおじさんが死んだ。私の知らないところで、知らないうちに。紫煙の中に、ぼんやりと影だけを残して。さよならも言えずに去っていった。  生まれる前の別れ。大きくなってからの別れ。  いろんな出会いと別れを経験した。その多くが、不意打ちだった。  きっと、これを読んでいるあなたも、私なんかが想像もできぬような別れ方をこれまでしてきたのでしょう。気になるな。どんな別れ方がこの世にあるんだろう。でも不思議、別れのパターンがどんなに多様でも、行き着く先は全て「死」だ

          煙草と追悼

          母と、ママとパパと、わたし。それから時期はずれのカーネーション。

           私には、生まれた瞬間から、もう父親が居なかったらしい。でも私には、母もママもパパもいる。そしてこれは、そんな幸運な私が考える「家族」と「命」についてのひとり語りだ。  生まれて18年間、祖母の家で暮らしてきた。母と祖母と。 そして20年目の私は今日も、十分な暮らしをしている。幸運にも。 でもそれって結局、どういうことだろう。何が、どういうことなんだろう。  なんとなく、「家族」ってエレクトリカルパレードのようだ。家という山車の上で、光る翅をつけた妖精やキャラクターが踊っ

          母と、ママとパパと、わたし。それから時期はずれのカーネーション。

          【留学回顧録】20231211 AM01:37

          怠慢で日々が過ぎていくのと並走して、心は疲弊していった。 鈍色の北極圏の冬は、わずかな日照時間で容赦なく、抜かりなく、 私の精神を狂わせようとしてくる。 新しい人間関係にもうんざりしてきて、 そんな飽き性極まりない自分自身にもうんざりする 最悪のスパイラルの渦中にいる。 「これでいいのかな」 他人の生活と自分のそれを比較しては落ち込んだ。 重い腰をあげて、今日は久しぶりに社交の場に出ようとしているところだ。 停滞していた空気が色づくような結果を望んで、 でもその過程でき

          【留学回顧録】20231211 AM01:37

          【詩】天使と珈琲

          ボコボコ音を立てて、珈琲が沸いた 黒くて苦いそれをマグに注ぐ。 立ち上る湯気 立ち上る香り ゆったり 少しずつ 覚醒していくあたま スマホを手に取る。 何気なくスクロールした画面上に、 今日も誰かが得意気に、 今日も誰かが得意気に、 加工まみれの日常を 本当かどうかもわからない事を落としていく。 これみよがしに 張り付けた笑顔の友人と 最近流行りの後ろ姿の写真 本当かどうかもわからない「睡眠薬は体に溜まるから云々」情報 (信じたくない。それが真実なら私は一体どうし

          【詩】天使と珈琲

          「ある人について、語りたい」がない時、人は一番孤独だと気づいた話

          ある友人のnoteを見つけてしまった。  もう友人と称することができるかも危うい関係性であることは___それを自覚している自分が最も哀しいことも____軽く語るに留めておく。  彼女と過ごした時間は、一瞬だった。  私たちは春に出会った(と記憶している)。物腰柔らかく、垣間見た哲学的で独特な思考と発言に、自然と落ちた。彼女を好きになることというのは、東から太陽が上がって西に沈むことくらいに自然で、当然で、抗えないことだった。  そして春の冷涼な風が、6月特有の湿り気を帯び始

          「ある人について、語りたい」がない時、人は一番孤独だと気づいた話

          焦がれていたはずの故郷、島の人々、家。どれも待ち望んでいたはずだったのに、大好きで居心地が良かったはずなのに、どこかしっくりこない。久々のそれらは、どこか異郷にいるような心地にさせる。誰かが言っていた。それは君の心がすこし大人になってしまっただけのことだと。大人って何者なんだ。

          焦がれていたはずの故郷、島の人々、家。どれも待ち望んでいたはずだったのに、大好きで居心地が良かったはずなのに、どこかしっくりこない。久々のそれらは、どこか異郷にいるような心地にさせる。誰かが言っていた。それは君の心がすこし大人になってしまっただけのことだと。大人って何者なんだ。

          魔法の秋。黄金色の北欧にて。

          日本を離れて分かったこと、感じたこと。 晴れの日のすばらしさ。 朝9時に、やっと太陽が顔を出し始めたとき、感じるのは私の内側の歓喜。 雨の日の多いノルウェー。 雨は、異国情緒あふれる石作りの建物たちを美しく灰色に濡らすけれど。やっぱり私は太陽に育てられた人間だから、日差しをからだ全体で浴びて生きたいんだと、痛感した。 約二週間ぶりの、いいお天気。 雨の日には全てが灰色にみえるこの街も、 秋の太陽が「おひさしぶりです」と顔をのぞかせ、その透明な黄色い光を恵むと、 銀杏並木

          魔法の秋。黄金色の北欧にて。