見出し画像

金子みすゞ『雀のかあさん』で授業する

雀のかあさん    金子みすゞ

子供が
子雀
つかまへた。

その子の
かあさん
笑つてた。

雀の
かあさん
それ見てた。

お屋根で
鳴かずに
それ見てた。

 金子みすゞの詩の素晴らしさを改めて紹介する必要はないでしょう。彼女が弱者へ向ける眼差しには、愛に満ちています。
 みすゞの詩には、何気ない日常風景を描きながら、途中で弱者にスポットライトが当てられ、対比的に弱者の側に心が引き寄せられていくパターンが多くあります。この詩も典型的なパターンによってつくられています。
 今回は、この詩を使って授業をする場合の展開例、発問例を示します。
※音読・視写を交えながら進めるが、省略して記載する。

第一連を板書する。(題は書かない)
発問1 どんな子供だと思いますか?
予想される発言(以下、予想) 男の子 女の子 元気 日焼けしている    小学生 5歳くらい

第二連を板書する。
発問2 「その子」とは誰ですか?
予想 子供
発問3 かあさんは、何を見て笑っていたのですか?
予想 子供が子雀を捕まえたところ
発問4 不思議ですね。子雀を捕まえるのはおもしろいのですか?
予想 自分の子が可愛かったから笑った。子供が成長したことを喜んでいた。巣から落ちた子雀を助けているのがうれしかった。
発問5 次に誰が出てくると思いますか?
予想 お父さん 兄弟 友達 仲間の雀 他の鳥たち

第三連を板書する。
発問6 雀のかあさんは、どこから見ていたでしょう?
予想 屋根 木の上 電線 物陰
発問7 雀のかあさんはどれくらい離れたところにいるのでしょう?
(教室を使って具体的にイメージさせる)
予想 蛍光灯の上 黒板の上 廊下の窓くらい 中庭の木くらい

第四連の二行目を隠して板書する。
お屋根で/(     )/それ見てた。
発問8 (   )の中に入る言葉は何でしょう?
予想 怒って ないて 黙って 静かに じっと 笑って
検討する中で、子供と子雀との対比、二人のかあさんの対比、「笑って」と(  )の対比に気づかせる。
(  )が「なかずに」であることを告げる。
発問9 では、「鳴かずに」と「泣かずに」のどちらだと思いますか?
予想 鳴:鳥だから。声を出したら自分も捕まってしまうから。人間から見て書いた詩だから。「鳴かずに」の方がかあさん雀の悲しさが伝わる。雀のかあさんは鳴くこともできない。
「鳴かずに」であることを告げる。

発問10 この詩の題は何でしょう。次の3つから選んでください。
A 子供のかあさん
B 二人のかあさん
C 雀のかあさん
予想 (省略)
Cであることを告げる。振り返りを書かせて授業を終える。

いかがでしょうか?中学年以上なら可能だと思います。

#国語 #授業 #詩 #金子みす#雀のかあさん
#教育 #学校 #教師 #発問 #校内研修 #小学校 #詩の授業  

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?