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7回表「季節はボクたちが変える」

旧銀行の方、転職組の方、ほぼ新人という3つのグループがある感じでした。もちろん旧銀行の方は、やはり外から来た人を警戒するし、自分たちが優れていることを最初はアピールしてきました。私もミッションは「銀行を変えてくれ」ということだったので、心を鬼にして、今までのやり方にこだわりすぎることなく、効率的なスタイル、正しい方向性を示す、具体的かつ論理的に数字で語る。Valuation Modelや、入力したCFとリンクするINPUT報告用サマリーなども新たに作り、それがスタンダードになり、毎回バージョンアップしていくことも面白かったです。今の世の中からするととっくにアナログな世界でしたが、ついでにExcelで飲み会精算計算システムなども作っていました。(役職ごとに傾斜をつけ、端数が出ないようにする)

一方で言うこと言うなら自分もやらなくてはという感じで、入社当初は体を壊しながらも気合で仕事をしていました。案件も多いし、投資する勢いがあっので張り合いはありますし、稟議は回すけども特別なプログラムなので非常に簡素化されており、意思決定については早かったです。その頃は、外資系から来ている人も多く、非常にユニークで面白い方が多く、グローバルな先輩・後輩・同僚もいて楽しかったです。その頃のTK君は仕事ではあまり絡まなかったですが、サッカーなども一緒にやって、今でも長い付き合いです。ドリブルをさせると真っすぐが早くてサイドを突破するのは上手ですが、そのまままっすぐで中に折り返しが来ないのでサッカーゲームでコントローラーをうまく操作できない感じでした。自分はその頃トップ下をやっていましたが、半ばあきらめて歩いて待っていたこともあります。(しかし縦の突破は本当に早かった!)また、ハイイールドも行うことになり、証券会社の方との付き合いもまた出てきました。お偉いながらも変わった感じのSTさんは会社帰りにサッカーを見に行くなど、ほぼ仕事以外のところでつながり、この方も今でも焼き鳥仲間です。

このころは若手指導係的なところもあり、一部の若手には強く当たったこともあります。もちろん上とのRollupで、そもそも数字が間違っていると、議論のしようがないのでそこはまず避けること、想定できることは準備しておく、前回や最近の切り口というのをあらかじめ抑えておく、それでもやはり突っ込まれることはあるけど、それは良くてそこが議論の深堀であり新たな気づきや視点であるから。どんな方であれ、approveをもらうまではDealはできないのだから、論破するというよりできることを準備することです。10の要素があって3しか準備してなかったら話にならないし、5でも時間が無駄、7でもぎり及第点だけど、それは1回目までの話。2回目は9-10の準備して、それでも11-12を求められるかもしれない。結局はアナログでもシグマ、2シグマの話です。前段階ではなるべく誰がやっても同じレベルになるように凸凹をならすようにもしていました。

ただ今でも繋がりがあるものもいて、「めちゃくちゃ怒られてた時代が懐かしいです」という方もいることは何か懐かしくもうれしい限りです。飲み屋で昔はこんなんでしたよと武勇伝を語るKM君もどこまでホントなのか私も記憶にない。

その会社には自分のキャリアで最長の9年間在籍していました。長くいればいるほど、密度が濃くなってこなくなるのか前半に比べて後半はちょっと思い出せないくらいの下り坂感はありました。おそらく仲良かった人たちが退職したりで、当初のエキサイティングかつベンチャー的な勢いがなくなったのでしょう。クビになるリスクは低いもののマンネリ化してくるという、一部の人が思う感覚に似ているのでしょう。30前半でやることはやってしまった感があります。だからではないですが、今は知らなければいつ走るか、ということと、よく私が例えるスポーツ選手の話と一緒です。30前半までに上を目指して努力することは何にも代えられない経験なのだと。そして会社にいる限りベテランになればなるほど、プレイヤーとしてのチャンスは与えられないのです。

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