『TITANE/チタン』見た直後の雑記
グランドシネマサンシャインで『TITANE/チタン』を見てきました。
序盤の事故、クラブシーン、数々の凶行からの逃避行。前半・後半でテイストが違うけど、大まかにはクライム・サスペンスなんだよね。
冒頭の幼少期のシーンやちょっとエロティックなクラブシーンなどヴィジュアルや奇行から斬新なサスペンスに見える。主人公アレクシアは多動症や極度に衝動を抑えられない傾向があり、それが悲劇的な流れを生み出している。
そこから凶行に対する逃避行と自らの運命(妊娠)に対するWの逃避行がこの映画の正体である。そこからのアレクシアのアイデアはお見事。詳しくは書かないが、ズバリ、逆『トッツィー』。消防士の隊長のヴァンサンが妄想と極度の鈍感さから話が面白い方向に行く。
アレクシアの数々の奇行は目を覆いたくなるものが多く、ぶっ飛んで入るけど、
要はクライム・サスペンス、ピカレスクロマン、逃避行なんだよね。その結末もなかなかの衝撃。
しかしながら、「奇」の部分か多少目立つぐらいで、飛び抜けて斬新ではなかったし、むしろ、落ち着いて見ればオーソドックスなクライム・サスペンスなんだよね。
「奇」の部分はもっともっとアバンギャルドでも良かったし、変体性もフェチズムも『女子高生を殺したい』と比べて足りなかった。車へのフェチズムは正直、描写不足。自分で殴るシーンや洗面器に顔面強打とかもそれなりに意味があるからそれ以上でもそれ以下でもないんだよね。
イマイチ足りない部分はあれど、とりあえずは秀作かな。