シン映画日記『なのに、千輝くんが甘すぎる。』
MOVIX三郷にてなにわ男子の高橋恭平主演の青春映画『なのに、千輝くんが甘すぎる。』を見てきた。
ジャニタレのなに男の高橋恭平主演というだけでなく、キャスト全員イケメン美女だらけの絵に書いたようなハイスクールアオハルスイーツ映画。恋愛映画としてやSNSの使い方などは悪くなかったが、主演があり得ないぐらいの超大根演技で映画を台無しにしたり、一部の脚本のおかしさや駄目な演出などで綻びが多い映画だったら。
女子高生・如月真綾は憧れのメガネ男子の山田太郎に人生初の告白をするも玉砕してしまう。落ち込んでいる真綾を見て、陸上部の千輝慧は真綾に「片思いごっこ」を提案し、真綾はこれに乗ることに。
高橋恭平が演じる千輝慧は学校内の女子達の憧れの的で、彼が女子達に塩対応でも人気は衰えるどころか増すばかり。真綾はそんな憧れの存在に「自分は無理」とハナから諦めていることもあるので、千輝から提案の「片思いごっこ」はいわば格差恋愛でもあり、真綾が「片思いごっこ」のミッションをこなせばこなすほど徐々に本物の恋愛になりつつある。
しかしそんな状況を千輝に本命な女子代表の花咲美結や千輝と中学からの同級生・手塚颯馬からの横槍などがあり、思うように行かない中で千輝にあるトラブルが起こる。
このように、人物相関を軸にしたストーリーは悪くはない。
しかし、
まず、千輝慧役の高橋恭平の演技が致命的に酷い。その大半が今どき珍しいぐらいの超棒読みで、一生懸命読んでますという感じがバリバリ。監督なり誰か演技指導というものが出来なかったのか?
それか、この千輝慧だけセリフがクサ過ぎて誰がやっても大根になってしまうのであろうか?
それと、ヒロインの如月真綾を演じる畑芽育のメイクが異様な程濃い。いくら普段着モードとは言え、顔が薄ら白く、頬紅をつけすぎ。
メイク担当や監督はちゃんとチェックをしていたのであろうか?
真綾の両親が出ないとかメガネ男子の山田太郎のステレオタイプな嫌な役とか、
終盤の陸上競技大会に病み上がりの選手を出すとか、
原作がそうなんだろうから変えられない事項なんだろう。そうなると、原作の段階でしょっぱいということにもなる。
ある種、こうなるのを承知で見た。ひょっとしたら『少女は卒業しない』みたいな意外な名作に出会えるのではともちょっとは思ったが、
見た目通りのスイーツなアオハル映画でござった。