『大怪獣のあとしまつ』、また見た
すると、「エエェェ…」なオチは知ってるから、不思議と落ち着いて見れた。
劣化版『シン・ゴジラ』アフターとか
劣化版『シン・〇〇〇〇〇〇』ビフォアの
三木聡監督パロディ版、
ということでいいかな。
少なくとも、やはり「令和のデビルマン」ではない。
いくらなんでも「令和のデビルマン」はない。
が、
山田涼介と土屋太鳳、濱田岳のシリアスな関係と
西田敏行や岩松了、ふせえり、笹野高史らの政府のわちゃわちゃグダグダコメディとの相性が悪い。
三木組パロディドラマと考えると山田涼介や土屋太鳳は邪魔だし、
山田涼介や土屋太鳳が目当てなら三木組のコメディが合わない。
まして、『シン・ゴジラ』等のA級怪獣映画を期待したら大いにずっこけ、
『日本以外全部沈没』のようなB級ドタバタディザスター……これが比較的近いかな。
かと言って、河崎実監督作品……よりかはいろいろ豪華にやっている。
じゃあ、誰向けかというと
物凄い山田涼介ファンか
何でも許せる三木聡監督ファン向け……。
事実、三木聡監督作品としては
『俺俺』や『音量を上げろタコ!なに歌ってんのか全然わかんねぇんだよ!!』よりかはマシ。この2つは酷かった。
しかしながら、テレビドラマ「時効警察」や
『イン・ザ・プール』、『亀は意外と速く泳ぐ』、『転々』、そして『インスタント沼』のようなジャニタレがいなかった頃の三木聡監督作品のクオリティを期待していると、
やっぱりガッカリする。
それと、
福田雄一監督の『ヲタクに恋は難しい』や『新解釈・三國志』にも通じるが、
岩松了の言葉尻の恥ずかしいギャグやふせえりの身体を張ったギャグなど、見ていて恥ずかしいギャグが多く、人を選ぶ笑いである。
あと、個人的には怪獣の屍体が膨張したり煙を吐いたりしているので、その方面からのカタストロフィを期待したり、せっかく北朝鮮風の国を出したんだからもっとそっちの方面でももめても良かったハズだし、
もっと詰め方があったはず。
あった中で選んだのが、
庵野秀明風味。
「あとしまつ」の発想こそは三木聡監督だが、
外見の導入と終盤(序盤も?)は『シン・ゴジラ』と今年公開の『シン・〇〇〇〇〇〇』のパロディなんだよね。
それと、いわゆる博士・評論家キャラがいなかったのが残念。このスパイスは欲しい。
全編、大災害、原発事故、政府主導大本営体制のブラックユーモアやメタファが狙いとしても微妙。
三木組が次回挽回するなら、ジャニタレ抜きで初期の作品に原点回帰をしていただきたい。