シン映画日記『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』
ユナイテッド・シネマ浦和にてコンピュータ・アニメーション映画『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』を見てきた。
ご存知、任天堂のファミコンソフト「スーパーマリオブラザーズ」の映画化で、1986年の日本のアニメーション映画『スーパーマリオブラザーズ ピーチ姫救出大作戦!』、1993年のアメリカの実写映画『スーパーマリオ 魔界帝国の女神』に次いで3作目で、30年ぶりの映画作品となる。
ブルックリンで配管工を営むマリオとルイージは「スーパーマリオブラザーズ」として仕事を請け負うが、失敗続きの日々。ある日、マンハッタンの地下の配水管が破損し、「スーパーマリオブラザーズ」として配管修理作業で現場に急行するが、二人は謎の土管に飲み込まれ、離れ離れに。
ルイージは漂着先のダークランドでカメ族とカメ族を束ねる大魔王クッパに捕らえられ、その一方でマリオはワープでキノコ王国にたどり着き、キノピオからルイージの事情を聞き、ピーチ姫やジャングル王国のドンキーコングとルイージを救出しに行く。
冒頭でカメ族と大魔王クッパのペンギンたちが住む氷の国への侵行を見せるが、その後のマリオとルイージの「スーパーマリオブラザーズ」はまずはブルックリンの配管工として見せる。これは元々の設定に準じていて、さらにイタリア系の描写も入れ丁寧な作りになっている。
そこから、ダークランドやキノコ王国に異世界にワープをして、そこからはアクション・アドベンチャーの展開になるが、そこでもマリオがピーチ姫から「スーパーマリオブラザーズ」風のアクションゲームのムーブのチュートリアルな手解きを受け、順序立てと自然、丁寧に、かつ、ファミリー向けにコミカルに作られている。
スーパーキノコをはじめ、ファイヤーフラワーやスーパースターなど「スーパーマリオブラザーズ」でお馴染みのアイテムも次々と表れたり、移動床やブロック、土管など、そこここに「スーパーマリオ」らしい世界観に満ち溢れている。
キャラクター造形・設定もそれぞれぴったり。
やや強気でアクティブなピーチ姫に
粗暴だけど寂しがり屋なクッパ、
どこかお調子者のキノピオなど、
だいたいこんな感じで話したり動いたりするかなというのがその通りになっている。
一つ、マリオの映画オリジナル設定で面白いなと思ったのはマリオのキノコ嫌いという部分。
そのマリオがスーパーキノコを初めて手にするシーンがおかげで面白くなっている。
ゲーム元も「スーパーマリオブラザーズ」シリーズだけでなく、「ドンキーコング」シリーズや「マリオカート」や「大乱闘スマッシュブラザーズ」シリーズ風など、あらゆる任天堂ゲームの要素が取り入れられていて、見ていて飽きない展開になっている。
個人的には
序盤で「レッキングクルー」のキャラを見せたり、「アーバンチャンピオン」みたいな通りも少し見せたりしたから、もう少し深くして欲しくもあったが、
顔見世作品としての立ち位置と
ファミリー層を強く意識した作りから
ある意味このぐらいでいいかな、とも思える。
エンドロール後の映像である任天堂ゲームキャラクターが出たことから、今後も続編が作られそうで、シリーズ作となれば楽しみである。