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【旧正月】日中の餃子のちがい
結論
日本→皮が薄く、焼き餃子がメイン。おかずの一種である。
中国→皮が厚く、水餃子がメイン。主食の一種である。
シルクロード、移民を通じて世界中に餃子のような料理は広まっていた。
1月29日は2025年の旧正月
太陰太陽暦では、2025年は太陽暦の1月29日がお正月です。日本でも、1872年まで太陽太陰暦を採用していました。そのため、太陽太陰暦のお正月を旧正月と呼んでいます。
旧正月は、東アジア、東南アジアの中でも特に中国の影響を受けた地域で、祝われています。日本の年末年始のお休みのように、旧正月を挟んで、1週間前後のお休みを入れます。沖縄県でも、冬の風物詩として旧正月を祝う習慣は残っています。
2024年の旧正月は世界中で見てきた竜について話しました。2025年は、日本と中国で食べられている餃子のちがいについて話します。中国北部では、餃子は富をもたらす縁起物として、お正月に食べられる定番料理です。
日本の餃子
現在の日本の餃子は、戦後、中国北東部から戻った方々が日本に製法を持ち帰ったことにより、広まりました。明治時代にも、餃子は伝わっていました。しかし、当時は、シュウマイの方が広く知られていました。
焼餃子が主流
日本では、焼き餃子が主流です。蒸し焼きにしてから、水分をとばして底に焼き目をつけます。短時間で火が通るように皮は薄めに作られています。鉄板に触れた面のカリカリ感がたまりません。
おかずの一種
日本では、おかずの一種です。ごはんだけではなく、ラーメン、炒飯と一緒に食べたくなります。焼餃子だけではなく、水餃子、揚げ餃子もあります。
酢と醤油を合わせ、お好みでラー油を加えてタレとして食べます。
特に、宇都宮市、浜松市、宮崎市で消費額が多いです。津市では、巨大な揚げ餃子、神戸市では、味噌ダレの餃子もあるなど、ご当地グルメとしても広まっています。
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餃子の街で食べられている餃子について、詳しくは、下の記事をお読みください。
中国の餃子
中国では、北京など北部を中心に餃子が食べられています。山東省の遺跡によると、2600年前から、食べられていたと考えられています。中国北部は寒いため、米ではなく小麦がさかんに栽培されていました。北方民族は、馬や牛を飼い、季節ごとに家畜のエサのある場所を求めて移動しながら、生活をしていました。この遊牧生活の影響により、牛肉、羊肉が主に具として利用されていました。
お正月に食べられる縁起のよい料理
中国では、餃子は、金運、幸福をもたらす縁起のよい料理とされています。日本のお雑煮のように、お正月に食べられる定番料理です。形が中国の昔の硬貨である元宝銀に似ているため、金運が上がると考えられていました。一つ一つが小さいため、たくさん食べられることから、子孫繁栄という願いも込められています。具に使用される白菜は、発音が「百財」にそっくりです。「たくさんの財産が集まりますように」という意味も込められています。日本で、「おめでたい」の「たい」にかけて、鯛が食べられている理由に似ています。
大晦日、家族が集まって、餃子を皮から作り、餡を包みます。お正月、たっぷりのお湯を沸かし、餃子を入れます。普段食べている餃子とはちがい、コイン、なつめ、落花生などを餡の中に忍ばせ、一緒に皮に包んでいます。おみくじです。それぞれのくじにも意味があります。なつめ、なつめを食べる人は、新年を甘く感じさせ、幸せな日々を送ることができます。落花生を食べる人は健康長寿、硬貨を食べる人は金運に恵まれるとされています。
水餃子が主流
中国では、水餃子が主流です。具材に、白菜、ニラなどの野菜と肉、魚をこねて餡を作ります。日本とのちがいは、ニンニクを入れないことです。地域や家庭によって餡は異なります。気分によっても変わります。厚い皮で餡を包みます。皮は小麦粉と水だけで作ります。火が通るまで茹でて完成です。
中国では、餃子は麺料理のように主食です。刻みニンニクを添えています。醤油ではなく、黒酢につけて食べることが一般的です。
シンプルだった
北京出身の友人に作っていただいたことがあります。その時は、豚肉、白菜、ニラ、醤油だけで作られました。皮も小麦粉と水だけで作られていました。シンプルな作り方した。皮が厚いため、肉汁が逃げません。豚肉から肉汁があふれて、おいしかったです。 餃子だけで、お腹がいっぱいになります。
余った餃子を焼き餃子などにして食べる
前日に余った水餃子は、蒸し餃子を焼いて食べることも多いです。日本の焼餃子より、皮がモチモチに焼き上がります。
餃子を揚げ焼きにすると、東京巣鴨にあるホワイト餃子のような見た目です。周りはパイ生地のようにカリカリ、中はジューシーです。
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今回は、日本と中国の餃子の違いについて解説しました。
餃子は、世界に広まっています。シルクロードを通じて、ヨーロッパにも広がっています。ロシアのピロシキ、イタリアのラザニアも餃子がルーツになっています。
中国からやってきた人々によって、東南アジアでも餃子が定着していました。マレーシアでも、本場の餃子を味わうことができました。
参考文献
地球の歩き方編集室,(2022),世界の中華料理図鑑(地球の歩き方W),学研プラス
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