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銭湯とHSPの回想【十條湯】


2020年、わたしは厄年であった。

何か絶対に悪いことが起きる予感はしていた。なかなかそれは的中したかもしれない。年末に仕事を辞めた。

次の就職先が見つかった、他にやりたいことがあって専念したい、などではない。

突発的に辞めたのだ。今しか行動できない!と。

そう強く思った瞬間があった。本日はその話をしよう。

昨年辞めた会社には3年お世話になった。わたしには続いた方。仕事の内容では満足していた。だけども毎日毎日周りの人間に気を遣っていた。

【HSP】(繊細さん)

それは少し前から世に知れ渡ったフレーズだ。わたしもTVでその言葉の意味を知った。

「絶対自分は繊細じゃないな!」ずっと思ってきた。でもよくよく考えるとHSPのチェック項目がいくつも当てはまるのだ。

仕事をしながらHSPのことを考えていた。

⚫︎朝の挨拶で上司や周りの人間が機嫌が悪いとものすごく気になってしまう。

⚫︎誰かが機嫌が悪いと自分のせい?と思ってしまう。

⚫︎上司の仕事ぶりを常に見てるから上司が何をしたいか、してほしいかが感覚的に分かる。そしてそれが出来てしまう。

⚫︎感覚派なので言葉で説明して、と言われても出来ない。

まさに、自分がそうなのだ。

わたしの人から見た第一印象は、明るくて好奇心が旺盛そうで、はっきり物事をいうタイプ。

確かにそれも当たってはある。好奇心が旺盛なので、新しいものが好きだったり(ミーハー)何も考えずにいきなり自分のやりたいことに向かって進んでしまう、事がある。

HSS型HSPかもしれない、、(詳しくはwebで)

ただHSPは病気や症状ではなく、5人にひとりにいる脳のメカニズムの話なので治せるものでもないらしい。

わたしは考えていた。

ずっと「優等生」だったな、、と。

小学校中学校では成績優秀、生徒会、絵や書道、作文コンクールでは必ず学校代表となっていた。親や先生の顔色を常に伺っていて、自分が成績良ければ大人達は喜んでくれる!だから勉強しよう!という絵に描いたような優等生だった。

それが社会人になっても変わらなかったのだ。

社会人であるということは完全なるイエスマン。わたしは、はい!分かりました!ありがとうございます!申し訳ありません!しか言わなかった気がする。上司に評価して欲しくて上司の仕事を見て真似て、上司が喜ぶような仕事をした。どうやったらもっと早く効率よく出来るかな?毎日自問自答して、仕事への質を上げるよう努力した。今日それが出来るとまた次へ、向上を求める。毎日それの繰り返し。向上心が半端ない。でも逆に言えば終わりがないのだ。ずっと自分への向上が止まることを知らない。

子供の頃からの「優等生」は変わっていなかった。

頭がパンクしそうになっていた。

ふと、今日は仕事終わってから時間を気にしないでゆっくり過ごそう。とふらっとお風呂へ入りに行くことにした、、

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十条駅より徒歩5分。【十條湯】さん。

十条銀座でお酒を飲んで酔い覚まししてからの訪問。このサイクルたまらなく好きだ。今日は時間を気にしないと決めたのでゆっくりお湯に浸かろう。

外観は昔からある銭湯なのだが、中は入ると新しいポップさがある。喫茶コーナーがあったり、手書きのチラシがまた可愛らしい。

ん?毎週水曜開催しているヴィヒタサウナ!サウナに力を入れているらしい。サウナが好きなので行ってみたい、、

いろんな催しをしていてTwitterも随時更新されているらしいから若者ウケもする銭湯だ。

そんなことを考えながら身体を洗ってからお湯に浸かる。

気持ちがよい。時間を気にせず熱い湯に浸かれる幸せ。今だけこの銭湯は夢の世界のよう。

ふと、貼ってある手書きのチラシに目をやると、働いていらっしゃるスタッフのプロフィールだった。写真を拝見しただけでイキイキさ、銭湯愛が伝わる。

こういうのすきだな、、とつい見入ってしまう。そいや、今のわたしの顔ってどんな顔してんだろう。わたしも客商売、お客さんから見たわたしってどんな姿をしてどんな顔で仕事してるように見えるのだろう。自分を会社のイエスマンというわたしは仕事自体を楽しんでやっているのか?

HSPだかなんだか知らないけどわたしはわたし自身を分かっていたのか?今こうやって悩んでいることをHSPという理由をつけたいだけなんじゃないか?情報に踊らされたりビビったりしてるんじゃないか?

結局、「わたしは何がしたいの?」に行き着く。

東京の熱いお風呂に浸かる瞬間は何とも言えない感覚。一瞬「無」になれる。「無」になることでわたし自身リセットされているように思う。

リセットした時毎度、何かを強く感じるのだ。

HSPという事実はつい最近知ったことで、だからといってわたしの脳メカニズムは変えられない。そうならば、自分をもっと生きやすい人生に導いてあげなくてはならない。

自分がそうである事実。そういう人が周りにもいて、そうでない人もたくさんいる。うまく共存するのだ。

日々の仕事に追われてゆっくり自分のことを考えない人もいるだろう。みんなに銭湯入ったらいいよ!とは言えない。みんな人それぞれの「夢の国」へいく瞬間があればいいと思う。

わたしは湯に浸かる。

2020年師走。東京下町風情が残るこの地、少し寒くなりかけた夜、新しい風が吹いているこの【十條湯】さんにわたしも力をもらい、わたしも心を新たに出来た夜だった。

【十條湯】さん、ありがとうございました。








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