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ドラムの音作り。初めの一歩はモチベーションを持って挑む(一度挫折した人向け)。

みなさまこんにちは。BPMスタジオスタッフがお送りするドラム調整に関するnote。日頃スタジオで行っている調整をはじめ、スタッフが長年に渡ってレコーディング、ライブのテックとして経験したメモのようなもの、雑感もお話できればと思ってます。

ドラムの音が好き

ドラムテックと申しましたが、もちろん最初から音を作れるわけもなく、情報が少ない中(当時はyoutubeは無かったんです・・・)、仕事の中で汗と恥をかきながら教えてもらった事ばっかりです。

バンドとプロデューサーの間に入って気を使ったり、ドラマーのやりたい事と作者が求めるイメージの溝を埋めたり。

現場の緊張感からか、寝ている間も「音が決まらない〜 !! 」みたいな夢はしょっちゅう。ドラムを運ぶのも組み立てるのも大仕事で、買ったシンバルはすぐ割れる !! あんまり魅力的な仕事とは言えないかも。。。

でも音楽を聴くとついつい耳がドラムを追ってしまいます。ライブに行くといつの間にかドラムをガン見していたり、店頭にディスプレイされたドラムのセッティングが気に入らないと直したくなってウズウズしたり・・・。

やっぱりドラムが好き、特に僕の場合はドラムの音が好きみたいです。

ドラムの生音はすっぴん?

ドラムといっても様々な音があります。どかーんと爆発するような迫力のある音やグラスの氷が転がるような繊細な音。好きな音=出してみたい音に出会うたびに、あーでもない、こーでもないと弄ってみるんですがなかなかピンとこない。

音源で聴くサウンドは、あまりにもたくさんの行程を経てリリースされた音なので、生の楽器の音はどうなっているんだろう?と疑問が湧くのは当然です。

すっぴんとメイク後の顔というとイメージが湧くでしょうか?

例えば舞台ならば、役者のBASE(ネットショップではありません)となる顔を見て、メイクさんはイメージを膨らませる。もしくは演出サイドの欲しいメイクや表情があってBASEの顔(役者)を選ぶ。バッチリイメージ通りであれば極端なメイクをしなくても良いのかもしれません。

どちらにしてもBASEというのは重要です。ちょっと抽象的な例えですが生の音と音源で聞く音の捉え方としては割とわかりやすいかな?と思うのですが。

みなさんはどうお感じになりますか?

チューニングは意外とシンプル

生音はすっぴん。(恐縮ながら強引に進めております!)

ピアノやバイオリン、吹奏楽器から打楽器まで。もちろん調整や演者による音の引き出し方はありますがアコースティック楽器の音は最初からその楽器が持って生まれたものです。

ところがドラムの場合、材質の特徴はあるもののBASEとなる音は自分で作る!というのが最大の特徴。ずいぶんDIYなアコースティック楽器なわけです。

BASEとなる顔を作るとなると、1から細かなディティールを作っていくよりもまずは土台、そして造形と作業行程を分けて進行した方が良さそうですね。

俗にいうドラムチューニング術もHz(ヘルツ)測定や音程に頼る方法、トルク&アングルなどたくさんありますが、ヘッドをドラムにきちんとセットし均等に張るという部分はみんな一緒。 

それを個人的に”仕込み”と呼んでいます。チューニングはそこからしか始まらない。土台の部分になります。

作業を習慣化させることが大事

とはいっても地味な仕込みはなるべく割愛したいのが人情ですよね。パパッと音を作ってサッと叩く。結果のフィードバックはできるだけ早く欲しい。

ただ、しっかりした土台の上にしか、しっかりした建物が建たないように、土台というものはかなり大事。決して不毛なタスクではないはずです。 

時間をかけるのが嫌だからこそ、作業のフローをじっくり体に覚えさせて、いつの日かパパッと作れるように作業を習慣化させるのが最善だと思います。

土台となるチューニングの具体的な仕込みはこちらの記事 note ドラムチューニング講座 〜仕込み〜 をご参照ください。一度挫折した方でも諦めないで良い音が作れるようになる、その第一歩めを書いてみました。


とにかく前進すること

チューニングのフローは難しくはありません。ただ体に覚えさせるまで(知識だけでは、まず上手くいきません)、繰り返し手順を追ってやっていく必要があります。習得までに時間がかかるんですね。

面倒に感じるかもしれませんが、この行程を端折ると音作りの初期の段階で行き詰まってしまいます。

姿勢や平衡感覚をチェックしながら。チューニング講座を読んでいただけばお分かりのようにまずは自分の感覚を信じすぎないことが重要。

そして、決して不毛な作業ではないので有意義性を意識して取り組んでいただきたいっ !

仕込みがうまくいったら、そこからのチューニングが今までよりも決まりやすくなった ! と感じると思います。楽器の音が良く鳴るようになるんですね。

特に自分の楽器をお持ちの方は「この楽器、こんなに良い音だったっけ ! 」と嬉しくなると思います。

前進を感じると自然とモチベーションが上がりますよね。楽器の音への興味も増すでしょう。ここがポイント。ここまでは仕込みを丁寧に覚えることで到達できます。


皆様のドラムライフを応援するためにスタジオBPMではスネアドラム各種、ドラムセット、シンバルなど貸し出しています。チューニングの練習や実験に常設の作業台や工具、アクセサリーパーツ類もご自由にお使いください。楽器や音への情熱を応援します。




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