SaaS入門:新入社員のための教科書リスト
弊社が提供している現場向け動画教育システム tebiki は、いわゆる「SaaS (Software as a Service)」です。
SaaSにはたくさんの専門用語とセオリーがあって、もちろんすべて自社に適用できるわけではないですが、弊社の成長プロセスを見てても「SaaSのセオリーはどの業界にも結構あてはまる」というのが実感です。
この記事は、弊社の新入社員に読んでほしい書籍やブログのリストを外部公開しているもので、「まずはこれを見てね」から弊社のオンボーディング/セールスイネーブルメントは始まります。
SaaSで世界を変えてやるぜ!という人は、ここに挙げたものはすべて理解して自分のものにして欲しい、という願いを込めてまとめました(随時追加)。
( 貴山 @tkiyama )
※弊社の他の教科書シリーズ (スタートアップの教科書/営業の教科書)もよろしければご参照ください。
専門用語いろいろ
SaaSは専門用語であふれています。MRR/ARR/SQL/MQL/SDR/BDRなどなど、挙げればきりがないし、3文字が多くて混乱しますが、基本はすべて理解しましょう。用語自体はただの慣れ。
人によって微妙に定義が違うこともあり、思想から理解して自分のものにしないと、自社にとって最適な設計はできません。
まずはこの用語一覧をざっとみて、どんなものがあるかなんとなく理解するところからはじめてください。
知っておきたいB2B SaaSのビジネス指標と単語 – 前田ヒロ
カスタマーサクセス
カスタマーサクセスが一番大事だと考えるSaaS企業は多いし、弊社もそうです。この本がとてもよくまとまってる。要熟読。
The Model (ザ・モデル)
インサイドセールスなどの営業組織やマーケティングチャネルを設計する上で、The Modelの原理原則を理解しているかどうかで完成度が大きく変わります。著者がブログに書いている通り、本の内容をそのまま適用するのではなく、自社の営業組織を考えるときの土台として使うのが正しい。
インサイドセールス
もはや一般用語になったインサイドセールス(IS)ですが、アポ取りだけから契約獲得までなど、各社によってIS部隊の役割は全然違います。その会社にとって事業が伸びるやりかたが正解。
The Modelと併せて読むと、SaaSの営業プロセス全体の解像度が上がる。タイトルは「インサイドセールス」ですが、IS視点の営業プロセス全体の設計書です。
その他、こちらの記事もわかりやすいです。
業務を効率化するインサイドセールスとは?メリットやフィールドセールスとの違いを解説
インサイドセールスは結局テレアポと何が違うのか?Salesforce、アドビ、HubSpotが語る
リード
「リード」「SQL」「MQL」は、会社によって定義がかなり違います。自社にとってベストな定義を決めるために、まずは、リードとは何か、という基本から理解しましょう。
今さら聞けない『リード』の意味とは?収益最大化の3つのプロセス
Churn Rate (解約率)
SaaSといえばChurn Rate。相場を理解した上で、自社のターゲットを決めましょう。ちなみに、新規契約が急増しているときは、数字が低くでます。
スタートアップのお金と指標入門講座:チャーンレート (Churn Rate) - Taka Umada
MRR (Monthly Recurring Revenue)
サブスクリプション課金の売上のこと。なぜ月間売上と呼ばずにわざわざMRRというかの理解が大事。
スタートアップのお金と指標入門講座:収益 (Revenue & MRR) - Taka Umada
SaaS企業の管理会計って?SaaSの収益予測モデルをさくっと作ってみる(テンプレ付)
NRR (Net Revenue Retention)
Net Retention Rateとも呼ばれる、既存顧客をどのぐらい維持できているかの指標。サービスの実力を判断するKPIとして、NRRを最重要と考える人は多いです。新規を順調にとれている間は、単純なchurn rateはとても低い数値となってしまうので、NRRの方が大事。
この数値がSaaS経営の難易度を決める「Net Revenue Retention」 – 前田ヒロ
【数値で見る】創業者に聞いたジャンル別”良いリテンション”とは何か?
LTV / CAC > 3x
よく言われる「LTV / CAC > 3x」の背景には、Churn Rate, CAC, LTV, Payback period などの数式があります。
このあたりはぴんと来ない人も多いと思うので、実際にExcelを使ってシミューレーションしてみるのがおすすめ。あーなるほどー、と理解できたらあなたも立派なSaaSの人。
CACとは?計算方法やCACを利用したSaaSビジネス健全度の計測手順
SaaSの公式「LTV/CAC > 3x」ってなんでなの?分解して考えてみた。
SaaSスタートアップが達成すべき4つの “フィット” – 前田ヒロ
LTV = ARPU / Churn Rate
前述の「LTV / CAC > 3x」とあわせて理解しましょう。
ユーザの平均継続期間が「1/解約率」で求められることの数学的証明
ナーチャリング
顧客は育てるものではないと思うので「ナーチャリング」という呼び方は嫌い派ですが、ナーチャリングの考え方と施策は超重要。
プロフェッショナルサービス
導入支援/コンサルティング/伴走などと呼ばれる、通常の月額課金に上乗せされるサービス。
検討要素はこの記事ですべて網羅されています。プロフェッショナルサービスを検討しようと思ったらまずこの記事。
SaaSビジネスのプロフェッショナルサービスことはじめ|Naoki Ito(Repro Inc/㈱銭湯ぐらし)
プライシング(価格設定)
各社頭を超悩ませて、様々な調査と直感のもとに価格を設定しています。既存顧客に適用するかどうかは別として、頻繁に値上げする会社が多いのもSaaSの特徴の一つ。
値付けの正解は誰も教えてくれないですが、価格体系を決める上での考え方と事例を整理している記事をいくつか(というかたくさん)ご紹介。
SaaS最初のプライシングをどう決める?Fond福山太郎、Treasure Data太田一樹と芳川裕誠に聞く、それぞれの実践
SaaSのステージ別プライシング戦略(Tomo Shikata @STRIVE_JP)
Slack、Dropboxなど成長するSaaS企業から学ぶ!SaaSの重要な戦略ツールであるプライシングモデル
リーディングインジケーター
顧客の定着率を見る上で、解約率などの多くの指標は結果が出るまで時間がかかりすぎるので、先行指標で管理することが早く事業成長させるために重要です。Hubspot、Dropbox、Slackの具体的な指標と背景を解説してくれる、ものすごく読み応えのある記事。
The Science of ReEstablishing Growth :成長戦略に再び舵を切るタイミングは? 科学的アプローチから考える
各種指標を網羅的に解説している記事
【考察】評価され続けるSaaS企業とは?〜LTVの本質とNRRの重要性・Expansion戦略について〜
さらに勉強したい人向け:過去の全記事を読む価値があるブログ
https://hiromaeda.com/
SaaSの様々なセオリーのエッセンスが、1記事ごとに短くコンパクトにまとまっています。
https://review.foundx.jp/
シリコンバレーの整理された知見を日本語で読めます。スタートアップ全般ですが、SaaSの話も多い。
ピナクルズ社では一緒に働く仲間を募集してます!
tebikiという、店舗/倉庫/工場などの「現場向け動画教育システム」を提供しています。社員一桁台になってみたい人、会社の看板じゃなくて自分の力で事業をつくって世界を変えたい人、一緒にやりましょう!!
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